バブルは人為的に生み出され、人為的に崩壊する。「そんなはずない、自然的だ」と思っている人は、一刻も早くお花畑から出たほうがよい。底値になった株・土地・不動産を根こそぎ吸い上げようとする者たちは誰か? 金権力のヒエラルキーを知れば一目瞭然。どう考えても、片仮名の「ロ」から始まる人らだ
はじめに
本来、株価の上昇は企業の健全な成長の結果によって起きます。コロナ禍の昨今、一部をのぞいたほとんどの企業収益は悪化。もちろん日本経済全体はマイナス成長。内閣府が15日に発表したGDP速報値によると、実質で前年比4.8%減となっています。完全失業率はバブル期1990年の2.1%を超えて2.8%、倒産件数はバブル期の6468件を超えて7773件になっています(東京商工リサーチより)。ちなみに、英国のGDP速報値を見ると前年から9.9%落ちており、減少率がなんと1709年以来311年ぶりの大きさになっています。
配当性向からも動向を読み取れます。日本の上場企業は、コロナ禍で配当の縮小に動いています。2021年3月期に減配を見込む企業は全体の29%で、増配を予定する企業18%を上回っています。両者の割合が逆転するのは、リーマンショック翌期の2010年3月期以来、11年ぶりです。ちなみに、据え置きは4割。
配当性向が低いということは、「コロナ終息の目処がつかない今、先々何があるかわからないから、とりあえずは内部留保しとこうぜ!」という判断だと想像することができます。このような状況下では、黒字企業ならまだしも、赤字企業はバブル相場に運を預けるわけにもいかず、たとえ資金提供や減税措置を受けたとしても、マネーを内部留保に回すことが多いと思われます(国債はほぼ100%安心なので買うかもしれません)。
先行き不安は社債市場にも現れています。信用力の低い企業の社債発行が年明けから世界で1100億ドル(約11兆5000億円)を超え、過去最高のペースになっています。そのうち、ジャンク債(ダブルB以下で投機的水準の低格付け債)は775億ドル(8兆円強)となっています(金融情報会社リフィニティブより)。
冒頭の文言について言うなら、あきらかに企業群の営業利益は成長していない、不健全なのに、ボーダーラインなしに全世界がコロナ禍に見舞われているというのに、全世界の政府がこぞって市場に莫大なマネーを流しています。
「MSCI ACWI インデックス(世界株指数ACWI)」という指標があります。これは、先進23カ国と新興国23カ国の株式の総合投資収益を、各市場の時価総額比率で加重平均して指数化した株価指数です。世界の株式の浮動株調整後の時価総額の約85%をカバーしている株価指数で、世界株の動向を示す最もポピュラーな株価指数として有名です。最新のを見てみましょう。
画像:https://stock-marketdata.com/acwi.html
ホッケースティックの途中段階ですね。
日銀がいくらマネーサプライ(お金じゃぶじゃぶ)を拡大させても、いっこうに実体経済でインフレが起きません(資産[株・土地・不動産]インフレは起きている)。起きるはずがないのです。そろそろ、間違いに気づいてほしいものです。マネーサプライが拡大しようが、市中銀行には関係ないのですから。なぜなら、銀行の信用創造は銀行の手元の準備預金(私たちの現金引き出しや銀行間決済のために保管してるマネー)とはまったく関係ないからです。当ブログで何度も言ってきましたが、忘れてる方も多いことでしょう。超簡単に口語で復習しましょう。
「僕たち市中銀行は、君たちから預かったお金を企業に又貸ししてるわけじゃないんだよ。僕たちはただ通帳に〇〇〇〇円と書き込むだけであって、君たちの預金には一切手を付けていないんだ。究極を言えば、誰一人として僕たちの銀行に預金せずとも、まったく問題なく貸し出しができるってことさ。じゃ、なんで預金を必要とするのか? それはね、その通帳に記された数字を誰かが現金化したいと言えば、実際の諭吉(お金)を渡さないといけないからさ。みんなからの預金が必要なのは、そのためさ(厳密にはそれ以外の理由もありますが、ここでは省きます)」
以上を統括すると、どれだけ日銀がマネーサプライを増やそうとも、借りてくれる人がいないかぎりは意味をなさないのです。もちろん、違う意味においてはあります。サプライマネーが株や土地、不動産に向かうのですから。しかし上記したように、それは資産インフレを起こすだけで、実体経済を成長させないのです。ですから、マネーサプライを増やす、という供給側の問題だけを考えている全世界は、意図せずに(様々な状況証拠から、実際はエスタブリッシュメントの意図が入っていると言えるでしょう)バブルを発生させ、崩壊させようと突き進んでいます。需要側の問題をきちんと認識しないかぎり、決して解決できない問題。そして、唯一その問題に気づいているのがMMT論者なのに、彼らの言うことを聞こうともしない。実に愚かです。
これまでも日銀は膨大なマネーを刷ってきました。なのに、いっこうにインフレにならないですよね。インフレ目標2%にまったく届かない。黒田日銀総裁は困り果て、次なる作戦を始動させました……マイナス金利……。
日銀がマイナス金利を導入してから5年が経っています。通常は預金すると利息が付きますが、マイナス金利は預金すると逆に利息を取られます(日銀当座預金の話で、私たちの預金は関係ない)。黒田総裁は「これで貸し出しが増えるだろう」と読んでいたのですが、銀行の融資はまったくといってよいほど伸びなかった。それもそのはず、上記したように、そもそもの需要がないからです。ずーっと、ずーっと、ずーっと根本問題に気づかずに間違った対処方を推し進め、人々を深淵に導こうとしてしまっている。しかも、需要が回復しない状況で供給を膨らませているので金利のさらなる低下を招きます。無論、市中銀行が融資先から受け取る利息は減ります。収益は悪化の一途を辿る。そこにきてコロナ。
バブル相場は必然といえるでしょう。収益が悪化した銀行は貸し出せないマネーを株や土地、不動産に投資した➡そして資産インフレが起こった➡マスコミが取り上げる➡それを見た一般市民が「バブル相場」を理解する➡儲けのチャンスだと思う➡個人が株式市場に足を踏み入れる➡金持ち連中は「金ずるがそろぞろやってきた」と喜ぶ。
今はスマホ一つで気軽に、しかも低価格から投資ができる時代です。私も少額ですが株と投資信託をやってます。もちろん、マネーゲームなどする気はありません。やっても大損をこくでしょうし、そもそもの話、ジャーナリズムを学び続けている身分、優良な投機先が、もし自分がこき下ろした企業だったり、または投機によってある国や地域に貧困状態が生まれてしまう、などと考えれば、自分の眼球が諭吉の景色のみに変わるのが許せなくなるでしょう。
先日、読者のカートさんから質問をもらい、書いた「個人投資家集団によるヘッジファンド退治」の内容を今度は出発点として、今後の株式市場の展開を話してみようと思います。
大手ヘッジファンド、シタデルセキュリティーズ
1月下旬から始まった米ゲーム専門店ゲームストップの株価乱高下は、オンライン掲示板「レディット」上で、メルビンキャピタルという大手ヘッジファンドがゲームストップ株を大量にショート(空売り)しているという情報が流れたことから、「なにー、やっちまおうぜ!」と個人投資家集団が一致団結し(彼らをロビンフッダーと呼ぶ)、大量の買い注文を出したことからメルビンキャピタルは大損をこく事態になりました(メルビン側が空売りして株価を下げようとしたのに、個人側からの大量の買い注文で株価は下がり切らなかった)。
この世界を騒がせた出来事をうけ、個人投資家の代表としてキースギル氏が公聴会に出席しました。そして、「共闘」を追及されましたが、彼は否定しました。米証券取引委員会(SEC)が告発しようにも、今回のような「みんなで買おう」運動だけでは、風説の流布のような詐欺的行為と認定できません。しかも一般人。「表現の自由」で守られるこということでした。
それでも負けじとSECは取引データの収集を始めています。かつ、レディット上の書き込みと照合し、不正がなかったか調べているといいます。一つ言えるのは、そして超大事なのは、SNS上の書き込みが必ずしも人間だとはいえないということです。
たとえば、米研究機関のオープンAIが2年ほど前に開発したAI「GPT―2」は、ネット上にある800万もの英文ページを学習し、キーワードを基に自動で文章をつくりだすことを可能にしました(ものの数秒で)。と、今回の騒動に無理やり結びつけることはしませんが、そのようなことが現実としてできる、ことを認識しておいたほうがよいでしょう。分析の幅が広がります。
そして、個人投資家が責められたわけですが、本当に責めるべきは、騒動の当事者たるスマホ証券のロビンフッド・マーケッツが、一部銘柄の買い注文の受け付けを停止したことです。他の証券会社を利用する投資家は自由に売買できたのに、です。これ、相当まずいですよ。
さらに言えば、騒動の最中、レディットが一時的に非公開化され、招待者しか参加できない設定になったのです。この事態によって急騰していたゲームストップ株などが急落しました。1時間後にふたたび公開されると、下げ幅を縮小しました。これじゃ、ヘッジファンドを助けたと言われてもしょうがないですよ。
ロビンフッドが取引手数料を無料にできているのは、注文をマーケットメイカー(値付け業者のこと。常時「売り」と「買い」の気配値を提示して、投資家の売買を成立させる)に回送してリベートを得ているからです。そして、マーケットメイカーはシタデルセキュリティーズであり、この企業が個人の集団攻撃によって多額の損失を被ったメルビンキャピタルを救済しました。
画像:https://www.wsj.com/articles/citadel-securities-hires-ex-sec-director-luparello-as-general-counsel-1491323109
少し細かく言えば、シタデルとポイント72アセットマネジメントがメルビンキャピタルに総額27億5000万ドル(約2850億円)の支援をしました。だからこそ、ロビンフッドの買い注文の受け付け停止措置はシタデルが要請したのではないか? と言われています。
シタデルは業界をリードするマーケットメイカーであり、3000以上の米国上場オプション銘柄(取引量の99%)を取扱っています。シタデルの自動化された株式プラットフォームは、8000銘柄以上の米国上場株式を対象に全取引高の約22%です。
2020年9月には、上期だけで38億4000万ドル(約4060億円)のトレーディング収入を稼ぎ出したと報じられています。2019年全体の32億6000ドルを、半年で上回わりました。純利益は1-6月期に23億6000万ドルと、前年同期の9億8200万ドルの2倍を超えています。オプション市場でのシェアは27%から32%に拡大。6-8月に扱った米株式の取引高は全体の28%で、昨年の22%から上昇しています。
シタデルはコンピューターによる超高速自動トレード「HFT(High Frequency Trading)」をおこなっています。HFTは取引手順などを組み込んだプログラムに従って高速、高頻度で自動売買をくり返すトレードのことを言います。シタデルはHFTのまさに大手なのです。
HFTは取引所とダイレクトに結んだ専用の超高速回線を保有していて、一般の市場参加者よりも先に相場情報を得ることができます。そのスピードは1000分の1秒ですが、超高速回線にいたっては1マイクロ秒(100万分の1秒)という驚くべき速さです。この事実が何を物語るといえば、どんなに個人投資家が一致団結しても、HFTを駆使したファンドには絶対に勝てない、ということです。
事実談として、シタデルは昨年7月、米金融取引業規制機構(FINRI)に「顧客の注文に先回りして株式を取引した」と指摘され、70万ドル(約7500万円)を支払う処分に応じています。
以上のことをまとめると、
①スマホ証券の手数料無料は、顧客データをマーケットメイカーに送ってリベートを得られているから
②顧客注文はつねにマーケットメイカーに覗かれ、顧客はつねに後出しジャンケン状態に置かれる
③顧客がどんなに一致団結しても、マーケットメイクするのはマーケットメイカーなので、いつでも改定できる強制ルールに翻弄される(個々人が購入するオプションは、シタデルが値付けする)
④よって、どれだけロビンフッダーが暴れようと、痛くもかゆくもない
そして一つ言えるのは、大量の格下ヘッジファンド、大量の個人投資家を巻き込み、マーケットメイカーは自分たちのみが利益を得るように市場をコントロールできるということです。あなたが「買いだ!」と思って買い注文を出したときには、すでにHFTが先読みして買っていて、しかも、あなたの注文が届く前にすでに売りに出しているかもしれませんし、実際そうすることができます。
AIが市場を呑み込む
HFTさることながら、「AIトレード」も今や常識になっています。もはや個人投資家に対抗できる手段はなく、細々と稼ぐしかありません(もちろん、そんなアウェイ全開の中でも稼ぐ人はいる)。だから私は思います、個人投資家を市場に誘い込むのは、それだけ財布の中身すっからかん人間を量産するためなのではないかと。
で、HFTとシタデルの関係を話ましたが、シタデルはAIトレードをおこなう「クオンツファンド」でもあります。金融工学に基づいて大量のデータを数量的に分析、処理し、あらかじめ決められたプログラムに従う運用を「クオンツ運用」といい、このクオンツ運用により運営されるファンドがクオンツファンドです。で、このクオンツ運用をAIがおこなっています。
2017年の情報ですが、クオンツファンド運用が全体の27.1%を占め、人がおこなう従来型のヘッジファンドの22.0%を逆転しました。
人間のトレーダーが不要となるのは、ゴールドマンサックスを見ればわかります。たとえば、ゴールドマンサックスでは、2000年に約600人いたトレーダーが、2017年1月時点では2人にまで削減されました。
で、いずれバブルが崩壊したとき、いったい誰が両腕を広げていっさいがっさいを抱き抱えるのでしょう。数々の有名どころのヘッジファンド創設者は、ロスチャイルド系列の銀行や証券会社で働いていた者たちが数多くいます。それを私はきちんと確認しています。
2017年に、ロスチャイルド(Rothchild & Co.)がシリコンバレーにオフィスを開設しました。シカゴにも開設していますが、そこを統括しているのは元ゴールドマン・サックス出身者です。
そしてロスチャイルドは2017年当時、世界40カ国に約2800人の従業員を擁しているのです。
彼らと愉快な大量の仲間たちが「ごっそりいただく」を狙っているのでしょうか?
画像:https://www.theenterpriseworld.com/the-rothschild-family/
本来、株価の上昇は企業の健全な成長の結果によって起きます。コロナ禍の昨今、一部をのぞいたほとんどの企業収益は悪化。もちろん日本経済全体はマイナス成長。内閣府が15日に発表したGDP速報値によると、実質で前年比4.8%減となっています。完全失業率はバブル期1990年の2.1%を超えて2.8%、倒産件数はバブル期の6468件を超えて7773件になっています(東京商工リサーチより)。ちなみに、英国のGDP速報値を見ると前年から9.9%落ちており、減少率がなんと1709年以来311年ぶりの大きさになっています。
配当性向からも動向を読み取れます。日本の上場企業は、コロナ禍で配当の縮小に動いています。2021年3月期に減配を見込む企業は全体の29%で、増配を予定する企業18%を上回っています。両者の割合が逆転するのは、リーマンショック翌期の2010年3月期以来、11年ぶりです。ちなみに、据え置きは4割。
配当性向が低いということは、「コロナ終息の目処がつかない今、先々何があるかわからないから、とりあえずは内部留保しとこうぜ!」という判断だと想像することができます。このような状況下では、黒字企業ならまだしも、赤字企業はバブル相場に運を預けるわけにもいかず、たとえ資金提供や減税措置を受けたとしても、マネーを内部留保に回すことが多いと思われます(国債はほぼ100%安心なので買うかもしれません)。
先行き不安は社債市場にも現れています。信用力の低い企業の社債発行が年明けから世界で1100億ドル(約11兆5000億円)を超え、過去最高のペースになっています。そのうち、ジャンク債(ダブルB以下で投機的水準の低格付け債)は775億ドル(8兆円強)となっています(金融情報会社リフィニティブより)。
冒頭の文言について言うなら、あきらかに企業群の営業利益は成長していない、不健全なのに、ボーダーラインなしに全世界がコロナ禍に見舞われているというのに、全世界の政府がこぞって市場に莫大なマネーを流しています。
「MSCI ACWI インデックス(世界株指数ACWI)」という指標があります。これは、先進23カ国と新興国23カ国の株式の総合投資収益を、各市場の時価総額比率で加重平均して指数化した株価指数です。世界の株式の浮動株調整後の時価総額の約85%をカバーしている株価指数で、世界株の動向を示す最もポピュラーな株価指数として有名です。最新のを見てみましょう。
画像:https://stock-marketdata.com/acwi.html
ホッケースティックの途中段階ですね。
日銀がいくらマネーサプライ(お金じゃぶじゃぶ)を拡大させても、いっこうに実体経済でインフレが起きません(資産[株・土地・不動産]インフレは起きている)。起きるはずがないのです。そろそろ、間違いに気づいてほしいものです。マネーサプライが拡大しようが、市中銀行には関係ないのですから。なぜなら、銀行の信用創造は銀行の手元の準備預金(私たちの現金引き出しや銀行間決済のために保管してるマネー)とはまったく関係ないからです。当ブログで何度も言ってきましたが、忘れてる方も多いことでしょう。超簡単に口語で復習しましょう。
「僕たち市中銀行は、君たちから預かったお金を企業に又貸ししてるわけじゃないんだよ。僕たちはただ通帳に〇〇〇〇円と書き込むだけであって、君たちの預金には一切手を付けていないんだ。究極を言えば、誰一人として僕たちの銀行に預金せずとも、まったく問題なく貸し出しができるってことさ。じゃ、なんで預金を必要とするのか? それはね、その通帳に記された数字を誰かが現金化したいと言えば、実際の諭吉(お金)を渡さないといけないからさ。みんなからの預金が必要なのは、そのためさ(厳密にはそれ以外の理由もありますが、ここでは省きます)」
以上を統括すると、どれだけ日銀がマネーサプライを増やそうとも、借りてくれる人がいないかぎりは意味をなさないのです。もちろん、違う意味においてはあります。サプライマネーが株や土地、不動産に向かうのですから。しかし上記したように、それは資産インフレを起こすだけで、実体経済を成長させないのです。ですから、マネーサプライを増やす、という供給側の問題だけを考えている全世界は、意図せずに(様々な状況証拠から、実際はエスタブリッシュメントの意図が入っていると言えるでしょう)バブルを発生させ、崩壊させようと突き進んでいます。需要側の問題をきちんと認識しないかぎり、決して解決できない問題。そして、唯一その問題に気づいているのがMMT論者なのに、彼らの言うことを聞こうともしない。実に愚かです。
これまでも日銀は膨大なマネーを刷ってきました。なのに、いっこうにインフレにならないですよね。インフレ目標2%にまったく届かない。黒田日銀総裁は困り果て、次なる作戦を始動させました……マイナス金利……。
日銀がマイナス金利を導入してから5年が経っています。通常は預金すると利息が付きますが、マイナス金利は預金すると逆に利息を取られます(日銀当座預金の話で、私たちの預金は関係ない)。黒田総裁は「これで貸し出しが増えるだろう」と読んでいたのですが、銀行の融資はまったくといってよいほど伸びなかった。それもそのはず、上記したように、そもそもの需要がないからです。ずーっと、ずーっと、ずーっと根本問題に気づかずに間違った対処方を推し進め、人々を深淵に導こうとしてしまっている。しかも、需要が回復しない状況で供給を膨らませているので金利のさらなる低下を招きます。無論、市中銀行が融資先から受け取る利息は減ります。収益は悪化の一途を辿る。そこにきてコロナ。
バブル相場は必然といえるでしょう。収益が悪化した銀行は貸し出せないマネーを株や土地、不動産に投資した➡そして資産インフレが起こった➡マスコミが取り上げる➡それを見た一般市民が「バブル相場」を理解する➡儲けのチャンスだと思う➡個人が株式市場に足を踏み入れる➡金持ち連中は「金ずるがそろぞろやってきた」と喜ぶ。
今はスマホ一つで気軽に、しかも低価格から投資ができる時代です。私も少額ですが株と投資信託をやってます。もちろん、マネーゲームなどする気はありません。やっても大損をこくでしょうし、そもそもの話、ジャーナリズムを学び続けている身分、優良な投機先が、もし自分がこき下ろした企業だったり、または投機によってある国や地域に貧困状態が生まれてしまう、などと考えれば、自分の眼球が諭吉の景色のみに変わるのが許せなくなるでしょう。
先日、読者のカートさんから質問をもらい、書いた「個人投資家集団によるヘッジファンド退治」の内容を今度は出発点として、今後の株式市場の展開を話してみようと思います。
大手ヘッジファンド、シタデルセキュリティーズ
1月下旬から始まった米ゲーム専門店ゲームストップの株価乱高下は、オンライン掲示板「レディット」上で、メルビンキャピタルという大手ヘッジファンドがゲームストップ株を大量にショート(空売り)しているという情報が流れたことから、「なにー、やっちまおうぜ!」と個人投資家集団が一致団結し(彼らをロビンフッダーと呼ぶ)、大量の買い注文を出したことからメルビンキャピタルは大損をこく事態になりました(メルビン側が空売りして株価を下げようとしたのに、個人側からの大量の買い注文で株価は下がり切らなかった)。
この世界を騒がせた出来事をうけ、個人投資家の代表としてキースギル氏が公聴会に出席しました。そして、「共闘」を追及されましたが、彼は否定しました。米証券取引委員会(SEC)が告発しようにも、今回のような「みんなで買おう」運動だけでは、風説の流布のような詐欺的行為と認定できません。しかも一般人。「表現の自由」で守られるこということでした。
それでも負けじとSECは取引データの収集を始めています。かつ、レディット上の書き込みと照合し、不正がなかったか調べているといいます。一つ言えるのは、そして超大事なのは、SNS上の書き込みが必ずしも人間だとはいえないということです。
たとえば、米研究機関のオープンAIが2年ほど前に開発したAI「GPT―2」は、ネット上にある800万もの英文ページを学習し、キーワードを基に自動で文章をつくりだすことを可能にしました(ものの数秒で)。と、今回の騒動に無理やり結びつけることはしませんが、そのようなことが現実としてできる、ことを認識しておいたほうがよいでしょう。分析の幅が広がります。
そして、個人投資家が責められたわけですが、本当に責めるべきは、騒動の当事者たるスマホ証券のロビンフッド・マーケッツが、一部銘柄の買い注文の受け付けを停止したことです。他の証券会社を利用する投資家は自由に売買できたのに、です。これ、相当まずいですよ。
さらに言えば、騒動の最中、レディットが一時的に非公開化され、招待者しか参加できない設定になったのです。この事態によって急騰していたゲームストップ株などが急落しました。1時間後にふたたび公開されると、下げ幅を縮小しました。これじゃ、ヘッジファンドを助けたと言われてもしょうがないですよ。
ロビンフッドが取引手数料を無料にできているのは、注文をマーケットメイカー(値付け業者のこと。常時「売り」と「買い」の気配値を提示して、投資家の売買を成立させる)に回送してリベートを得ているからです。そして、マーケットメイカーはシタデルセキュリティーズであり、この企業が個人の集団攻撃によって多額の損失を被ったメルビンキャピタルを救済しました。
画像:https://www.wsj.com/articles/citadel-securities-hires-ex-sec-director-luparello-as-general-counsel-1491323109
少し細かく言えば、シタデルとポイント72アセットマネジメントがメルビンキャピタルに総額27億5000万ドル(約2850億円)の支援をしました。だからこそ、ロビンフッドの買い注文の受け付け停止措置はシタデルが要請したのではないか? と言われています。
シタデルは業界をリードするマーケットメイカーであり、3000以上の米国上場オプション銘柄(取引量の99%)を取扱っています。シタデルの自動化された株式プラットフォームは、8000銘柄以上の米国上場株式を対象に全取引高の約22%です。
2020年9月には、上期だけで38億4000万ドル(約4060億円)のトレーディング収入を稼ぎ出したと報じられています。2019年全体の32億6000ドルを、半年で上回わりました。純利益は1-6月期に23億6000万ドルと、前年同期の9億8200万ドルの2倍を超えています。オプション市場でのシェアは27%から32%に拡大。6-8月に扱った米株式の取引高は全体の28%で、昨年の22%から上昇しています。
シタデルはコンピューターによる超高速自動トレード「HFT(High Frequency Trading)」をおこなっています。HFTは取引手順などを組み込んだプログラムに従って高速、高頻度で自動売買をくり返すトレードのことを言います。シタデルはHFTのまさに大手なのです。
HFTは取引所とダイレクトに結んだ専用の超高速回線を保有していて、一般の市場参加者よりも先に相場情報を得ることができます。そのスピードは1000分の1秒ですが、超高速回線にいたっては1マイクロ秒(100万分の1秒)という驚くべき速さです。この事実が何を物語るといえば、どんなに個人投資家が一致団結しても、HFTを駆使したファンドには絶対に勝てない、ということです。
事実談として、シタデルは昨年7月、米金融取引業規制機構(FINRI)に「顧客の注文に先回りして株式を取引した」と指摘され、70万ドル(約7500万円)を支払う処分に応じています。
以上のことをまとめると、
①スマホ証券の手数料無料は、顧客データをマーケットメイカーに送ってリベートを得られているから
②顧客注文はつねにマーケットメイカーに覗かれ、顧客はつねに後出しジャンケン状態に置かれる
③顧客がどんなに一致団結しても、マーケットメイクするのはマーケットメイカーなので、いつでも改定できる強制ルールに翻弄される(個々人が購入するオプションは、シタデルが値付けする)
④よって、どれだけロビンフッダーが暴れようと、痛くもかゆくもない
そして一つ言えるのは、大量の格下ヘッジファンド、大量の個人投資家を巻き込み、マーケットメイカーは自分たちのみが利益を得るように市場をコントロールできるということです。あなたが「買いだ!」と思って買い注文を出したときには、すでにHFTが先読みして買っていて、しかも、あなたの注文が届く前にすでに売りに出しているかもしれませんし、実際そうすることができます。
AIが市場を呑み込む
HFTさることながら、「AIトレード」も今や常識になっています。もはや個人投資家に対抗できる手段はなく、細々と稼ぐしかありません(もちろん、そんなアウェイ全開の中でも稼ぐ人はいる)。だから私は思います、個人投資家を市場に誘い込むのは、それだけ財布の中身すっからかん人間を量産するためなのではないかと。
で、HFTとシタデルの関係を話ましたが、シタデルはAIトレードをおこなう「クオンツファンド」でもあります。金融工学に基づいて大量のデータを数量的に分析、処理し、あらかじめ決められたプログラムに従う運用を「クオンツ運用」といい、このクオンツ運用により運営されるファンドがクオンツファンドです。で、このクオンツ運用をAIがおこなっています。
2017年の情報ですが、クオンツファンド運用が全体の27.1%を占め、人がおこなう従来型のヘッジファンドの22.0%を逆転しました。
人間のトレーダーが不要となるのは、ゴールドマンサックスを見ればわかります。たとえば、ゴールドマンサックスでは、2000年に約600人いたトレーダーが、2017年1月時点では2人にまで削減されました。
で、いずれバブルが崩壊したとき、いったい誰が両腕を広げていっさいがっさいを抱き抱えるのでしょう。数々の有名どころのヘッジファンド創設者は、ロスチャイルド系列の銀行や証券会社で働いていた者たちが数多くいます。それを私はきちんと確認しています。
2017年に、ロスチャイルド(Rothchild & Co.)がシリコンバレーにオフィスを開設しました。シカゴにも開設していますが、そこを統括しているのは元ゴールドマン・サックス出身者です。
そしてロスチャイルドは2017年当時、世界40カ国に約2800人の従業員を擁しているのです。
彼らと愉快な大量の仲間たちが「ごっそりいただく」を狙っているのでしょうか?
画像:https://www.theenterpriseworld.com/the-rothschild-family/
"バブルは人為的に生み出され、人為的に崩壊する。「そんなはずない、自然的だ」と思っている人は、一刻も早くお花畑から出たほうがよい。底値になった株・土地・不動産を根こそぎ吸い上げようとする者たちは誰か? 金権力のヒエラルキーを知れば一目瞭然。どう考えても、片仮名の「ロ」から始まる人らだ" へのコメントを書く