発言、行動、顔、そして嗜好も(思考も)、そのすべてが把握される ~監視編②~

今現在、警察は犯罪予測ができる

 ある海外ドラマの話。タイトルは『パーソン・オブ・インタレスト――犯罪予知ユニット』。 物語は毎回一話完結しつつも、全体のゴールへ向けて話が継続的に展開していく。まだ起きていない未来の犯罪を予測し、それを解決していくという話。

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画像:https://www.youtube.com/watch?v=JUGrB2Yk-tc

 未来の犯罪を予測するのは、政府の依頼を受けて創作された巨大な監視システム――。

 まさにこの海外ドラマのように実際に米警察はAI使い、犯罪予測で動いている現実があります。びっくりしますよね? まだ起きてもいない犯罪なのですから。

 人間が善悪表裏一体の存在のように、たとえ「監視」「支配」という耳障りな悪の概念(ここでは、哲学的な「そもそも悪とは何か?」みたいな話はしませんのでご了承を)が根本にあろうとも、役立つ面(善の面)だってあります。要はその役立つ面を、善良な人間の仮面を被った悪魔たちが建前としてだけでしか考えてないのが問題なのです。

 私は思いました。もしこの技術が適用されたならば、「もうおねがい ゆるして ゆるしてください」と綴った船戸結愛ちゃんは、虐待死から救われたのかもしれないと? あまりにも理不尽で、あまりにも非人道的な事件でした。

 とはいえ、たとえ苦しくて心が張り裂けそうでも、感情だけで判断してはいけない(どうしても判断できない状況の場合だけ、それは感情に頼るしかない)ことが多々あります。人間が培ってきた理性が大事。そうしないと、理性を働かせず、感情だけで「福島を救おう!」と不勉強にも程があるおかげで、本来受けることのなかった被曝人をつくりだしてしまったような現実をくり返しかねない。つまり、上記のことで言うと、AIの「負の部分」もしっかりと考えよう、しっかり考え、見極め、判断しようということです。

犯罪予測の具体的内容

 2017年8月、米シカゴ市警がサウスサイド地区で犯罪予測システムを導入したことで凶悪事件が激減したと発表しました。具体的な数値を言うと、発砲事件が39%減、殺人事件が33%減とのこと。

 シカゴ市警が使用しているシステムは、「Azavea」社の犯罪予測システム「Hunchlab」。時間、季節、天候、地域経済、過去の犯罪データなどから、犯罪の一定のパターンを見出すといいます。アルゴリズムによって犯罪が発生しそうな地点を指し示す――。

 また、ロス市警も同様に犯罪予測をおこなっています。「オペレーションLASER」という2011年に始まった取り組みでは、「パランティア・テクノロジーズ」社という企業が開発した技術を使い、たとえば過去数年間の法律違反情報を分析して個人に点数をつけるのです。

ギャングに所属 → 5ポイント
仮釈放or保護観察 → 5ポイント 等

 ポイントが高いと「再犯の可能性が高い」と判断されます。

 ロス市警はLASERに加えて、「PredPol(プレッドポル」という窃盗犯罪を予測するソフトウェアのも使用しています。

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画像:http://www.ceolevel.com/el-project-manager-del-futuro-un-transhumano

 PredPolは、あるエリアで起きた犯罪の種類、時刻、場所を参照し、そのエリアで犯罪が起きそうなところがどこなのかを判断するのです。AIは500フィート(約150m)を地図に示し、警官はこの地図上を中心に巡回します。この地図は毎日更新されます。PredPolは、カリフォルニア大学ロサンゼルス校の研究者らによって、大容量データの精査方法を研究中に生まれたものです。過去の膨大な犯罪情報のデータベースを元に、犯罪パターンなどを解析し、いつ? どこで? 犯罪が起きるのか機械学習しつづけ予測するのです。シカゴ市警と同じく犯罪発生率が減少し、導入から19週間のうちに犯罪発生率が47%減少したといいます。
 
 PredPolのアルゴリズムは、犯罪と地震の発生パターンが驚くほどよく似ていることから生まれました。新たに発生する地震は、元を辿れば「断層」とどこかで起きた「地震の余波」に行き着く。犯罪に関して言えば、断層は「怪しげなクラブ」で、地震の余波は「金銭トラブル」ということなのでしょう。

 このような関連づけは、「風が吹けば桶屋が儲かる:風が吹くと土埃が立って目に入り盲人が増える。盲人は三味線で生計を立てようとする(江戸時代)から、三味線の胴を張る猫の皮の需要が増える。猫が減るとねずみが増え、ねずみが桶をかじるから桶屋がもうかって喜ぶ」的なものでしょう。

 そして皆さん、知っていますか? すでに日本でもAIによる犯罪予測システムの本格導入に動いているのです。

 神奈川県警がその先陣を切っています(犯罪だけではなく事故発生の予測も)。2020年の東京五輪・パラリンピック開幕までの試験運用を目指しているそうです。連続発生した事件の容疑者が同一かどうかを分析したり、容疑者のつぎの行動を予測したりするほか、事件事故が起きやすい時間帯と場所を確率で示すシステムの構築を目指すとのことですが、私はいずれこのシステムは一般人にも向けられると思っています。絶対、と言ってもいい。人権侵害との反論をかわす建前としてはこうです。「だって、すべての人間が犯罪予備軍でしょ? この世に犯罪と無縁な人はいるの? 赤信号を車がいないからって渡ったって犯罪でしょ?」と。
 
 「ディープラーニング(深層学習)」で学ばせるのは犯罪学や統計学の数式だけではありません。ビッグデータ。これが大事。それを利用することによって、政府にとって、国にとって、国を転がす国際金融資本家カルトどもに必要不可欠な情報を学ばせるのです。

 第一、警察が謳っていますしね。「SNSの情報を活用することも想定している」と。想定じゃないでしょうに。確実、でしょうに。

政府と癒着するある重要な企業

 そして注目してほしいのは、上記した「パランティア・テクノロジーズ」社という企業。この名称を聞いたとき、すぐにピンときました。どういう企業なのか? ニューズウィークに一つ記事があったので、まずはつぎに引用します。

米国防長官にアドバイザーを送り込む、謎のシリコンバレー企業
2017年6月13日(火)15時15分
山田敏弘(ジャーナリスト)

<トランプ政権のマティス国防長官周辺に、あるシリコンバレー企業が3人のアドバイザーを送り込んでいる。各国の情報機関や捜査機関をクライアントに持つ、謎の企業の正体とは?>

 政治ニュース専門メディアのポリティコは今週、ジェームズ・マティス米国防長官にからむ興味深い記事を掲載している。

 この記事は独自調査によって、ある企業と深い繋がりがある少なくとも3人が、マティス国防長官の側近として米国防総省の中枢に食い込んでいることが判明したと報じている。同じ企業関係者が、次席補佐官などに3人も起用されるのは、過去をさかのぼっても非常にめずらしいケースだという。

 なぜ一企業にそんなことが可能なのかと不思議に思われるが、それは国防総省や米政府に対してかなりの影響力を持っているからだ。

 その企業とは、シリコンバレーに拠点を置くパランティア(Palantir)。日本ではまだその名前を知る人は少ないかもしれない。(中略)

 実はこの企業は何年も前から、アメリカの安全保障の関係者の間ではよく知られていた。パランティアは世界的にも「最も謎めいた企業」の一つと言われているが、一体どんなビジネスをしているのか。

 端的に言うと、パランティアは情報分析ツールを提供するIT企業だ。同社のソフトウェアは、データマイニングを行うツールで、諜報活動で得た情報をはじめ、SNSや電子メール、クレジットカード履歴や航空チケットの購入記録、監視カメラの映像などの情報を収集・分析し、短時間でビジュアルマップやヒストグラム、チャートを作り上げる

 情報・捜査機関は、テロやスパイ、犯罪対策として莫大な証拠やデータを集めて、日々分析を行う。ただどれほど情報収集の能力が優れていても、収集したデータや情報は単なる断片にすぎない。デジタル化が進む現代、世の中にある情報量は膨大なため、情報をまとめて分析し、点と線を結ぶのは大変な作業となる。一方、効率的に分析できれば、テロや犯罪の捜査や、ターゲットの監視などの能力が飛躍的に高まる。そこにパランティアのソフトウェアが導入されているのだ。パランティアのクライアントには、そうそうたる名前が並ぶ。CIA(米中央情報局)、FBI(米連邦捜査局)、NSA(米国家安全保障局)、さらには米軍関連機関など。ペトレイアス元CIA長官は過去に、パランティアは効果的な「ねずみ取り」だと発言したことがある。さらに最近では、フランスのテロ対策を担う情報機関にサービスを提供したり、カナダにも進出したりして話題になっている。

 パランティアによれば、同社の昨年のビジネスは20億ドル規模で、このうち米政府機関との契約は12億ドルに上る。

 さらに興味深いのが、その創業者だ。パランティアは2004年にCIAのベンチャー支援を受けて5人で立ち上げられた企業だが、そのうちの1人が「あの」ピーター・ティールだ

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画像:http://president.jp/articles/-/25082?cx_referrertype=yahoo&yhref=20180608-00025331-president-bus_all
 ティールといえば、ペイパルの共同創業者であり、フェイスブックやリンクトインなど大手SNSに初期から投資をしてきたことでも知られるシリコンバレーの大物投資家だ。日本でもベストセラーになった『ゼロ・トゥ・ワン』の著書としても知られている。(中略)

 現在もフェイスブックの取締役であるティールの総資産は27億ドルとも言われる。また自分の悪口や性的趣向を暴露したゴシップ系の米ウェブメディアを相手に、多額の訴訟費を投じて裁判を行い、最終的に破産させたこともある。

 そんなティールは、選挙戦から共和党のドナルド・トランプ候補に125万ドルを寄付するなど支援を行い、トランプが大統領になった現在もIT関連のアドバイザーを務めている。そしてトランプとIT企業関係者を繋げたりしながら、トランプからの信頼を得ている。トランプが大統領選に勝利した後、シリコンバレーのIT企業幹部が揃ってトランプと会談したが、それを取り持ったのがティールだった。

 そんな背景もあって、ティールの会社であるプランティアから国防総省に関係者が入り込でいるようだ。

 ただティールがアドバイザーの役割を越えて自分の企業の関係者を軍トップ周辺に送り込んでいる事実は、今後、トランプ政権の不適切な人事として問題になる可能性がある。
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/06/post-7788_2.php

 パランティアの活動拠点はシリコンバレー。同社のデータマイニング技術は政府の諜報活動に使われているのは周知の事実。その最もたるものが、スパイのグーグルと呼ばれるXKeyscore」です。これは、現在ロシアに亡命中のエドワード・スノーデンが2013年に明らかにしたNSA(国家保障安全局)の監視プログラムにも利用されています。これを用いれば、Eメール、電話での会話、ネットの閲覧履歴、PCを使って作成した文書など、そのすべてを知ることができると言われています。

 そして大事なことが一つ。2017年4月、米ネットメディア「インターセプト」が、2013年にNSAがXKeyscoreを日本に提供したと述べているのです(防衛省はコメントを控えた)。

まだまだつづく……。

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