高度なデジタル社会が個人を蝕み、世界から逃げ場は一切なくなる

キャッシュレス社会の到来

 いまから1年ほどまえ、インドのモディ首相が、とつぜんに「高額紙幣(1000ルピー、500ルピー:日本円でいう10000円と5000円)」の廃止を宣言しました。モディ首相のねらいは、「ブラックマネー(脱税や密輸など、非合法な経済活動で動く資金)」のあぶり出しでした。この奇策に、インド国民が驚いたのも無理はありません。なぜなら、決済の90%以上を現金に依存していたからです。
 もし日本で、同じ政策を執られた場合、経済が混乱するのは目に見えています。日本では、あらゆる取引の70%が現金決済ですが、ほかの先進国の平均は30%程度にすぎません。おとなり韓国は現金決済が10%程度です。つまりは、90%はキャッシュレス決済。
 中国のキャッシュレス化も著しいです。各飲食店には、スマホ決済のための「QRコード」が並んでいる状況です。なので、日本はいまだ「現金信仰」が健在なのです……と、これだとまるで、キャッシュレスを推奨しているようですが、私はこの状況を歓迎していません。むしろ危惧しています(とはいうものの、たぶん避けられないことでしょうが……)。
現金には匿名性が備わっているため、非合法取引の決済の格好の手段となっている」というのが、キャッシュレスへ向かう論理としてよく挙げられます。ということはですよ、裏を返せば、「現金には匿名性があるため、現金決済した相手以外の第三者に知られることがない」という、秘密保持の守護神みたいなものなのです。それが、キャッシュレスになるとどうなるのか? まず、キャッシュレス(=デジタル通貨の使用)は集中管理できず、しかも匿名なので、これまで中央銀行(日銀)がしてきたように、金利を付与するのは難しいと思われます。たとえば、日本を含めた一部の国々がおこなった「マイナス金利政策」などの制約がなくなります(マイナス金利政策※1の良し悪しについてはここでは割愛)。

※1 「マイナス金利」とは、読んで字のごとく、金利がマイナスになるということ。つまりは、銀行に預金するとお金が減るというパラドックスに陥るのです。

通常金利:金利5%  → 100万円が翌年には105万円
マイナス金利:金利-5% → 100万円が翌年には95万円
注:市中銀行(民間銀行、都市銀行のこと)が日銀に預金してるマネーに対するもので、私たちには直接の関係はありません

 なぜそんなことをするのか? それを説明するまえに、法律で市中銀行は、日銀に預金することを決められています(法定準備金)。この法定準備金には金利が適用されないため、利息も発生しません。事実、この法定準備金を上まわるマネーが日銀当座預金にはあります。この「上まわった」部分にマイナス金利を課したのです。ともすれば、もしあなたが、運用責任者だったらどうしますか? 預金などせず、無理にでも貸し出しますよね? そうです、それを目論んでいるのです。お金が市中に出まわり、景気を刺激するのだと……。
 日銀がマイナス金利を導入したのは、インフレ目標に達しないことや、株式市場の下落があったからです。だからこそ、景気を刺激する必要がありました。市中に出まわるマネーの量が増えるということはイコール、マネーの価値が下がって物の値段があがるというわけです。金利に魅力を感じられないのだから、株に意識が向くのは必然といえるでしょう。世界の株価は確かに好調です(ただし、マイナス金利が主要因なのかは断定できない。というか、経済変動にはあらゆる要因が絡むので、断定するべきではない)。で、ここでは別に、マイナス金利がどうのこうの話したいわけではないので、この話はここで終わりにさせていただきます。伝えたかったことは、マイナス金利など、何か政策を打てる選択肢を日銀がつねに持っているのは、ある意味で重要だ、ということです。

世界中の中央銀行が考えだし、これから実行されていくこと
画像

画像:http://bitcoinchaser.com/bitcoin-conspiracy

 上記したのは、銀行という法人に関しての話でしたが、一番の問題点は個々人についてのことです。

「デジタル通貨での支払いは、第三者によるトレース(履歴の追跡)が可能になる」

 世界で金融のデジタル革命が加速し、ビットコインなどの仮想通貨が台頭してきています。仮想通貨とはその名のとおり、たんなるデジタル・データにすぎません。持っているようで持っていない、これが問題なのです。どうしますか? たとえば停電、ATMからの引き出しができなくなります。スマホの電池切れ、紛失、破損などが起これば? ありえないようでありえる話、北朝鮮の電磁パルス攻撃は? だからこそデジタル・データは怖いのです。その点、現金が手元にあれば問題ありません。つまりは、現金があると主体的になれるのですが、デジタル・データにマネーが化けてしまうと、客体的にならざるをえない、ということなのです。ですが世間がそれを許しません。どこに行っても現金が使えないとなると、おとなしく投降して仮想通貨を使わなければならなくなるのです。そして個人情報は追跡可能なものとなる
 分散型台帳(ブロックチェーン)の鉄壁の守りで、データ改ざんが事実上不可能となり、それが仮想通貨の信用を生み出しています。「このままだと、中央銀行は過去の産物となってしまう!」と世界各国の中央銀行は焦りだし、金融政策(権力の維持)の効果を失ないように、「法定デジタル通貨」なるものを発行し始めました。南米のウルグアイは、自国の仮想通貨「eペソ」を発行し、世界初、国家版の仮想通貨となったのです。今後、スウェーデンも規制などをクリアできれば、同じように法定デジタル通貨「eクローナ」を発行できるようになります。これはつまり、デジタル版のマイナス金利を課すことができるということです。「仮想通貨には中央銀行が入り込む余地はない」としながらも、近い未来、決済情報が日銀に集中するのは目に見えています。だから私は言います。

「新世界秩序を望む者たちは、民間の仮想通貨から国家の仮想通貨、そしてその物語のなかに、なんらかの作為的なシナリオを組みこみ、世界統一(デジタル)通貨を発行すると。昔から言われてきた『世界統一通貨』という言葉に、『デジタル』が付与されただけの話。それか、のちの量子コンピュータのところでも言いますが、仮想通貨を崩壊させ、アナログ(つまりは現金)の世界統一通貨を発行する」

仮想通貨の弊害

 先日、韓国で仮想通貨取引所「ユービット」がハッキングされ、経営破綻しました(北朝鮮が関与との見方あり、というか断定している:サイバー部隊である「121部隊」の仕業であるとされました。1998年に設立されたこの部隊は6000人を抱え、世界でも5指に入る実力だという)。
 ビットコインを盗まれたのであり、全資産の約17%である約170億ウォン(日本円で約18億円)を失いました。同社は顧客の資産について、ハッキングされた時点の残高の約75%を支払い、未払い分は破産手続き完了後、支給するとのこと。4月にも同様にハッキングされ、55億ウォン相当を盗まれたこの会社が露呈したのは、「だれもが同じように仮想通貨を盗まれる危険性がある」ということです。

 また、昨年、ビットコインは激しく分裂を繰り返しましたが(ビットコイン・キャッシュ、ゴールド、ダイヤモンドなど)、これは取引インフラを支えて稼いでいる「採掘業者(マイナー)」の利害があるからです。マイナーは、コンピュータで膨大な計算をして、仮想通貨の取引の正しさを裏づけます。
マイナーは、ブロックチェーンのブロック一つあたり、12.5ビットコインの報酬を得るのですが、ビットコインを分裂させると、元の所有者に同数量が無償付与され、マイナーの計算処理の機会が増えます。計算処理の機会が増える――つまりは、「分裂は儲かる」ということなのです。こういったマネー・ゲームが向かうさきは「破滅」と相場は決まっています。

まず、手はじめ(世界統一仮想通貨への移行として)金融危機を必要とする


 株高、資産高など、「同時好況」と呼ばれるワードで2018年は幕を開けました。その一方、世界の負債総額は、リーマン・ショックまえの水準よりもはるかに大きく膨らんでいます。
欧米で不動産への過剰投資が続いているのは、資産価値が高騰したためで、投資家はその高騰した資産を購入するために、さらなる借入金を必要とします。もし、今現在のほぼ0%の長期金利が平準時の値に戻れば、高騰してしまった資産価値は調整を避けられず、巨額の負債を抱えたまま資産価値の下落に見舞われる可能性があります(日本のバブル時代と同じ現象)。そして、債務不履行(デフォルト)になりかねないのです。
 歴史から私たちが学んだこと。それは第一、権威者は追い込まれると極端な緊縮財政をとる。第二、それがだめだと事実上の国家破産となる。第三、打開策として戦争を必要とする。そうやってヒトラーは戦争をふっかけました。

量子コンピュータによる「仮想通貨の消滅する日」

そう遠くない未来、量子コンピュータがビットコイン含む仮想通貨を消滅させるかもしれない」と巷では囁かれています。なぜ、量子コンピュータが仮想通貨を消滅させるのか? それは単純な答えです。処理能力が異常すぎて、仮想通貨の暗号がすべて見破られる、ということ。
 現在のコンピュータの処理速度の1億倍とも言われる量子コンピュータの開発は加速しており、「5年以内には実用化される」と言われています。仮想通貨のいわゆる「暗号の鍵」が解かれてしまう日が来るかもしれないのです。
 そして、前述しましたが、既存の仮想通貨が滅び、あらたな仮想通貨の必要性を世界に訴えるかもしれません。そしてその暗号は「量子コンピュータにも解くことができない」とかなんとか言って……。または、前述したように、アナログ通貨(現金)へと時代が戻るのかもしれません(もちろん、世界統一通貨として)。どういうことになるのかはわかりませんが、なんとなく以下のとおりになるのではないでしょうか。

第一段階:仮想通貨の暗号技術の信用が絶対となり、世の中にどんどん普及していく(これ以前に金融危機が起これば、支配者層にとっては万々歳)

第二段階:生体認証、行動パターンによる認証制度の確立。ただいる、歩くだけですべてができる。個人データの蓄積。

第三段階:量子コンピュータの実用化によってブロックチェーンが破られる。世界中で個人情報のダダ洩れ。それではいけないと、世界が対策を考える(というか、もうすでに考えてある)

 たぶん、どこかの段階でマイクロチップの話がでる

どうでしょうか? けっして「ありえない」とは言えないでしょう。

"高度なデジタル社会が個人を蝕み、世界から逃げ場は一切なくなる" へのコメントを書く

お名前
メールアドレス
ホームページアドレス
コメント