『反原発論』~原発を肯定できる理由は皆無である~

……第二次世界大戦の大きな目的として、戦後の原子力エネルギー利権を見越した原爆開発計画があった。その威力と人体への影響を実験するには、原爆を使用するまで戦争状態を続ける必要があった。これは原子力マフィアにとっての都合であるが、日本も原爆投下までは降伏する気はなかったのである。戦後の原子力利権の分け前を存分にもらうためには、日本にとっても原爆実験は必要だった。つまりこれは“日米共同”の作戦であって、とっくに利害は一致していたのだ。ゆえに日本は玉音放送があってもなくても産軍をあげて原爆被害調査という“軍事行動”をアメリカと共同で継続したのである。そして日米が共同で出資設立した放射線影響研究所が原爆被害のデータを隠匿し、被曝者の治療に活かすこともなく今日に至った…… 
『真説ニッポンの正体』高橋五郎、小池壮彦p16

 前回お話したように、今回は「原発」に関して、そしてまずは「被曝の恐怖」を理解していただきたく記事にしたいと思います。その前に、先日12月19日、『東京新聞』1面では、九州電力玄海原発で事故が起きた際、30キロ圏の住民が一時避難する放射能シェルター整備で、九州電力の関係会社6社が全体の約3割にあたる計14億円の業務を受注していたことがわかったというニュースが報じられました。この文章を見ておかしいと思いませんか?放射能汚染をまきちらす原発を稼動させておきながら、その放射能シェルターを造ることで利益を得る。原発被害で国費を投入して助けてもらっているのに、その原因となったものを防ぐシェルターで(国費)で利益を得る?なんじゃそりゃ?って話です。このような道徳的におかしいことも堂々とやっているのが「お上と愉快な電力仲間たち」であります。さらに、冒頭に記した「放射線影響研究所」などの財団がそれを助長します。この財団は、「原爆傷害調査委員会 (ABCC)」 と「厚生省国立予防衛生研究所(予研)原子爆弾影響研究所」を再編し、日米共同出資として1975年4月1日に発足した財団法人です。
 これからお話していく上で、原発の知識(放射能に関しても)だけではなく、人間の恐ろしいほど醜い部分、それは利権にまみれ、他者の犠牲をもいとわないもの……吐き気をもよおすような内容も示していきます。
 世界中の人々が「原発」というものを考えさせられるキッカケとなった「チェルノブイリ原発事故」。「放射線影響研究所」で理事だった重松逸造は、「国際原子力機関(IAEA)」でチェルノブイリの事故調査を行った「国際諮問委員会(IAC)」の委員長に就任。ソ連国内の汚染状況と住民の健康の調査、住民の防護対策の妥当性の検討を目的とする「国際チェルノブイリ・プロジェクト」実施にあたりました。そしてこのプロジェクト報告会において、「汚染地帯の住民には放射能による健康影響は認められない」というトンチンカンな答え、チェルノブイリは何も問題ないという見解を示したのです。ちなみにIAEAは、「このような事故はサッカー場の騒動より軽微なものだ」と言いました。殺人者とも言える重松は、「イタイイタイ病」や「スモン病」、「川崎病」などの疫学的研究、原爆被爆者追跡調査などを指導し、その度に国や企業の代理人として働き、いずれの公害においても原因物質を「シロ」と判定してきた人物です。この重松をバックアップしてきた財団が2011年3月19日、福島県放射線健康リスク管理アドバイザーに任命された山下俊一もバックアップしていたのです。当ブログ管理人が以前、国会前、経産省前での反原発運動に参加した際、「山下を降ろせ!」の大合唱が起きたのを記憶しています。山下は「100ミリシーベルトまで大丈夫、放射能は笑っている人のところには来ない」と支離滅裂な発言をし、「ミスター100ミリシーベルト」と言われるようになりました。このような人物がいるからこそ私たちの思考が破壊され、自殺へと赴く道を歩いていってしまうのです。ちなみに「シーベルト」とは、「放射線が人体に与える影響度」を表します。
 政府やマスコミはミスディレクションを使います。例えば福島事故前までは、普通の人が1年間に浴びてもいい(という言い方は変ですが)とされる限度は1ミリシーベルト(1000マイクロシーベルト)までと決められていました。これは1年間でという意味です。しかし、政府やマスコミが発表したのは1時間あたりです。強調しますね。1年間の被曝量を1時間にすることで「めっちゃ数字が低い」と周囲に思わせたのです。実際は被曝量を1年間分に拡大する必要があったのです。先述したように、本来、国民の1年間の被曝量は1ミリシーベルトでしたが、福島事故後にそれを適用すると、福島、宮城、群馬、栃木、茨城、東京、埼玉、千葉を無人にしなければならないので、基準値のほうを変えたのです。また、原発作業員は緊急時、年間100ミリシーベルトから250ミリシーベルトに引き上げられました。「死の灰(放射性物質のこと※詳しくは後述します)」が辺り一面に降り積もるとします。そしてその死の灰を牛が食べます。その過程でミルクが汚染されますが、そのミルクを私たちが飲みます。または、川に流れ込んだ死の灰を農業用水として取水します。土壌のサンプリング調査は水田全体の0.01パーセントにも満たない状況です。。これは「死になさい」と言われているようなものなのです。この状況を知っているにもかかわらず、農家は利己心から産地を隠して密かに首都圏へと出荷しています。

 「福島県産だと、卸業者も『それでは売れない』と言うので、話し合ったすえ、新潟、山形県産にして出荷することにした。セリ(卸売市場)にかけるわけじゃないから、そんなことはどうにでもなるわけさ。本当の産地を言ったら、店が買ってくれないから仕方ないよ」 別冊宝島『原発の深い闇』p24

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画像:http://malpu.com/memo/sano/ 

 これが現実です。この現実を知らずして原発の必要性を訴えている人はたくさんいます。福島第一原発の事故直後、各地の避難所で行われたスクリーニングでは、要除染の基準値が大幅に引き上げられ、測定の手法もザルだったことを東電幹部が内部告発という形で告発文書をテレビ関係者に託しました。その後どうなったのか?……黙殺されたのです。NHKは、一部報道で除染が必要な被害者は皆無としました。『原発の深い闇』では、この内部告発者の発言を記しており、「ひとり1分の計測はまったく意味がない」としています。測定面を最低でも3秒間あてないと正確な数値は測れないのだと。そして実際は、表面を撫でるような計測ではなく、密着させなければならないとも。年間被曝量と同じように、除染が必要であるとされる汚染レベルが「原子力・安全保安院」によって引き上げられました。当初は6000cpm(カウント・パー・ミニット:1分間に計測した放射線の数)だった数値を1万3000cpmに引き上げ、さらにその後、数値は10万cpmにまでなったのです。完全なる公開殺人です。
 このような事実があることを世間は知らず、何でも盲目的に信じてしまいます。なので、まずは放射能の知識に関して基本的な話をしたいと思います。

放射能に関する知識

 燃料棒の中には「ウラン235」という放射性物質があります。「235」は、原子核を構成する陽子と中性子との合計の数を表しています。外から中性子がぶつかるとに2~3個の塊に割れ(核分裂)、熱を出します。例えば、90個の塊に割れたのならば「ストロンチウム90」、それが131個なら「ヨウ素131」、137個は「セシウム137」といった具合に。

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画像:http://www.geocities.jp/noisettelover/env/kakunogomi/kakunogomi.html

 また、「ウラン238」という放射性物質は中性子がぶつかっても割れません(膨大なエネルギーを持った中性子が衝突すると核分裂する)。逆に中性子を吸収することで「ウラン239」になります。そしてほんの少し時間がたつと「ネプツニウム239」という原子に変わります。そして数日たちますと今度は「プルトニウム239」になります。このプルトニウムも外から中性子がぶつかると核分裂を起こして熱を出します。原子炉の中では、燃料棒の中のウランとプルトニウムが至るところで割れながら発電をしているのです。原発は、これら放射性物質が出す熱を利用して蒸気を作り、タービンを回すことで発電させています。安全なら何ら問題はないのですが、チェルノブイリや福島第一原発のように、爆発を起きることで外部に放射性物質が飛散すると、とてつもなく厄介なことになるのです。なぜなら核分裂によって割れた塊は、安定した状態に戻ろうとして熱以外に「放射線」を出すからです。その放射線を出す放射性物質は「死の灰」と言われ、200種類以上もあることが確認されています。決してセシウムやストロンチウムだけではないのです。
 プルトニウムは世界一の猛毒物と言われており、アルファ線を出します。アルファ線は空気中で0.04ミリしか飛びません。最も遠くへ飛ぶ場合でも10センチなのです。だからと言って安心は決して出来ないのです。なぜなら、被曝には外部被曝だけでなく内部被曝もあるからです。もし身体の中にプルトニウムが入れば、それは「死」を意味します。0.04ミリだろうが、自分の身体の中に違いはなく、常にアルファ線に晒されるのです。逆にガンマ線は透過力が強いので、体内に取り込んでも、一部は外に飛び出します。
 ストロンチウムはベータ線を出し、その距離3ミリから1センチ。まだまだありますよ。福島第一原発から放出された主な放射性物質は、キュリウム242、テルル129、イットリウム91、モリブデン99、バリウム140、アンチモン127、ネオジム147、ネプツニウム239、セリウム141、ジルコニウム95、キセノン133 ……まったく聞いたことのない名前もあったかと思います。これら放射性物質はすべて、人間の細胞を破壊することで一致しています。

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画像:http://jcf.ne.jp/metoba/wp/%E3%81%8A%E5%95%8F%E3%81%84%E5%90%88%E3%82%8F%E3%81%9B/%E5%B0%82%E9%96%80%E7%94%A8%E8%AA%9E/

 そして例えば、ヨウ素は甲状腺ガン、プルトニウムは肺ガン・白血病、ストロンチウムは白血病、セシウムは肉腫など、甚大な被害をもたらすのです。それだけではなく、これらの放射性物質は「高レベル廃棄物」として地球に敷き詰められていくのです。
 そして、「あの事故から何年も経ったし、そろそろ福島も住めるんじゃないの?」というような、猛烈に無知な人間もいるので(ここまできたら犯罪ですよ)、そういう方に教えておきます。まずは「半減期」という言葉を覚えて下さい。ある「放射性同位体(放射能を持つ元素) 」が、放射性崩壊によってその内の半分が別の核種に変化するまでにかかる時間を言いますが、単純に「放射能が半減する時間」と覚えておけばOKです。では、その半減する時間は?と言うと、ストロンチウム90は28年。セシウム134は30年。プルトニウム239は2万4000年(ちなみにプルトニウムは耳かき一杯で数万人を殺戮できます)。とてつもなく長い時間なのです。逆に、ヨウ素のように半減期が8日間というものもあります。これですと3ヵ月後にはほぼ安全なものに変わります……なので安心……とはなりません。先に述べたように、ヨウ素は甲状腺ガンが起こします。これを防ぐためにヨード剤を飲みます。これで、たとえヨウ素を接取してしまっても、その大半が血中から尿中に排出され、甲状腺に蓄積されないようになるのです。ただし、です。太平洋のビキニ海域での核実験では、事前に住民はヨード剤を飲んでいましたが、甲状腺に障害を患ったのです。教訓は「絶対はない」ということです。だからこそ、内部被曝は確実に防がなければならないことなのです。「被曝量は距離の2乗に反比例する」という物理学の法則があります。距離が2分の1になると、被曝量は4倍になるのです。内部被曝の距離は0です。いったいどれだけの被曝量でしょう?だからこそ、内部被曝という発言はタブーとされたのです。

被曝後の恐怖

 1999年9月30日、茨城県那珂郡東海村にある企業「ジェー・シー・オー(JCO)」の核燃料加工施設で、臨界事故が発生しました。核燃料を加工中に、ウラン溶液が臨界状態に達し核分裂連鎖反応が発生、この状態が約20時間持続ました。これにより、至近距離で中性子線を浴びた作業員3名中、2名が死亡、1名が重症となった他、667名の被曝者を出したのです。死亡した2人は大内久さんと篠原理人さん。

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画像:http://ichigen-san.cocolog-nifty.com/blog/2011/07/post-4e6f.html

 大内さんは被曝者ということで対処できず、病院をたらい回しにさせられ、最終的に東大病院に落ち着きましたが、放射線の専門医たちは「助からない」ことを知っていました。当時、大内さんは普通に話しもできて、肌が少し赤く焼けていただけでした。しかしその1ヶ月後には、身体全体の皮膚がただれ、内臓や骨にも影響を及ぼし始めました。それは、放射線によって染色体がばらばらに破壊されてしまい、「細胞の再生」という人間の生体的しくみを失ってしまったからです。普通、日焼けをすると新しい皮膚が再生されますが、大内さんは被曝という焼けどによって皮膚の再生機能を失ってしまったのです。大内さんの被曝量は17シーベルトでした。
 福島第一原発の事故では「中性子」の3文字が禁句となり表舞台から消えました。京都大学原子炉実験所の小出裕章助教は、東電は中性子を計る機械をたくさん持っているが、その事実を政治家、マスコミがまったく触れなかったことを言及していました。
 大内さんたちのような被曝量ではなくたとえ微量だったとしても、ほんのわずかDNAに傷がついただけでその傷が細胞分裂で増やされていくわけですから、全く影響がないなんてことはないのです。過去、「BEIR(電離放射線の生物学的影響に関する委員会)」は、被曝のリスクは低線量にいたるまで直接的に存在し続け、しきい値はないことを示しました。つまり、「この量以下の被曝なら安全ですよ!」という値がないと結論づけたのです。
 だからこそ、この記事のタイトル通り言い切ることが出来るのです。

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