憎しみの連鎖

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zoom RSS 仮想通貨(世界)はいずれ現物通貨(世界)を大いに狂わす

<<   作成日時 : 2018/03/12 21:20   >>

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現在のマネー・システムへの軌跡

 第二次世界大戦が終わった後の世界で、圧倒的な経済力を誇っていたのはアメリカでした。アメリカ・ドルは信用度が高かったので、戦後、世界の通貨の基準(基軸通貨)になりました(それまではイギリスのポンド)。当初は「固定相場制(戦後1ドル=360円で固定)」。これを維持するには、ドルに対する絶対的な信用が必要であり、そこで金(ゴールド)で固定したのです(1オンス=35ドル)。つまりは、「ドルを必ず金と交換します」ということ。これを「金本位制」と言います。

 お札というのはしょせん紙切れなので、みんなが信用せず、いらなくなったら価値はどんどんなくなっていきます。ドルと金の関係を固定しておけば、アメリカが無制限にドル紙幣を刷ることはなくなります(ちなみに、戦後のこのしくみ「ブレトンウッズ体制:アメリカのブレトン・ウッズという土地で決まったから」のときに、「IMF(国際通貨基金)」と「世界銀行」が作られました。IMFは世界の通貨を安定させるために作られた機関で、もしも経済がうまくいかない国が出てきたら、一定の条件を課すことでお金を貸し出す。世界銀行は、戦争や貧困などにより経済がボロボロの国に、長期スパンでお金を貸し出す。なので、正式には「国際復興開発銀行」という)。

 で、1971年にこの固定相場制が崩れることになります。「ニクソン・ショック」です。金本位制を維持できなくなりました(世界中にドルが出回るようになり、流通量が金に比べて飛躍的に増えてしまい、ドルを金と交換する人が増えていった)。

 アメリカは金の固定相場を維持するために、先進各国から金を集めては交換を続けました。しかし、金は無尽蔵ではありません。いずれ交換できなくなる日が来ます。で、ニクソンは「アメリカはドルを金と交換するのをやめます」と言ったのです。

 それ以降は、金を使わないドルを基軸通貨とする固定相場以が続いていました。アメリカはドルの価値を実態に合わせるために通貨の価値を切り下げ(1ドル=360円から、1ドル=308円まで)ました。しかし、この関係性が維持できたのはたった1年3ヶ月(ニクソン・ショック後もベトナム戦争に大量にドルを費やしたので、さらに信用は下がった。それに、金と交換できない以上、信用はもともとなくなっていて、ドルを手放す人がいた)。

 人びとは「ドルを円と交換してくれ!」と叫びました。ともすれば、「1ドルが308円じゃなくてもいいから、307円でも306円でも、いや、もはや300円でもいい!」となります。

 日本政府はそれに応じないといけません。でも、円の価値が上がることを防ぐために、元の308円で交換し続けました(固定相場制を維持するために大量に円を刷った)。しかし、ドルを円と交換し続けるとインフレになります。それは、円が大量に世の中に出まわるからです(円の価値が下がり、いつも以上に円を出さないと買いたい物が買えなくなる)。日本は1973年2月に「変動相場制」へ移行しました。
 
ドルに通貨を固定するとは?

 上記のことを「ドルペッグ制」と言います。

画像

画像:https://steemit.com/cryptocurrency/@cryptogram/a-peg-is-a-peg

つまりは、ドルに対する固定相場制のこと。仮想通貨でもこの制度をとっているものがあります……「Tether(テザー)」。テザーで持っていようと、ドルで持っていようと「同じ」だということ言えます(価値が同じだから)。

 ドルペッグ制では、儲けられる方法があります(「必ず」などという詐欺まがいなことは言いいません)。それは、たとえば「オプション取引(※1)」などにより、大量のドルを借りる方法。

 借りた大量のドルでテザーを買い、値上がりしたところでドルに交換する。でもって、借りていたドルだけを返して、残りは自分のポケットに入れるのです。
※1 例えば、日本のA社が1ドル=100円のとき、1億ドル(100円×1億=100億円)分の自動車を買ってもらう契約を、アメリカのB社と結ぶ。その代金が2ヶ月後に支払われるとする。

 ここでもし、2ヶ月後が円高ドル安に進んでいた場合(1ドル=90円)、90円×1億=90億円 となってしまい、10億円の損を伴う。なので、そんな場合に備えて、2ヶ月後に1ドル=(絶対に)100円でドルと円を交換できる「権利(オプション)」を買っておく。これで、オプション料を多少なりとお払うだけで、損するリスクを回避することができる。


 テザーはドルペッグ制を維持するため(テザーが暴落しないために)、テザーとドルを交換し続けなければなりません。もしここで、「交換するためのドルがない」となれば、市場ではどういった反応が起こるでしょうか? それが次のニュースに表れています。

仮想通貨に新たな疑惑? ビットコインをはじめ、仮想通貨市場そのものを崩壊させかねない「テザー」疑惑とは

 テザーは、ドルの価値と「つながっている」という意味。

 ビットコイン価格は、アメリカの規制当局が仮想通貨テザー(Tether)の発行会社(同じくテザー)を調査しているとのニュースを受けて下落している。

 テザーについては噂が絶えなかった。テザーは、ドルと連動する「ペッグ制」をとっているが、発行会社テザーは実際には、発行量に相当するドルを保有していないのではないかと噂されている。

 テザーは疑惑を強く否定している。

 だが彼らの主張が事実だとしても、仮想通貨マーケットにおいて中核的な役割を担っているゆえに、テザーに対する懸念は、ビットコインや取引所に影響を与えかねない。

 ビットコイン価格は、米国商品先物取引委員会(CFTC)がテザー(Tether)とビットフィニックス(Bitfinex)の2社に召喚状を出したとのニュースを受けて下落している。

 ここ数カ月、テザーについての懸念が仮想通貨マーケットで広がっていた。ドルと連動する「ペッグ制」が特徴のテザーは、ビットフィニックスを含め、多くの主要な仮想通貨取引所の運営に欠かせない。だが発行会社テザーは、発行量に相当するドルを保有していないのではないかという疑念がある。

 万一、疑惑が事実なら、ビットコイン価格は暴落し、多くの取引所の運営が行き詰まる可能性がある。
(後略)
https://www.businessinsider.jp/post-161426

 テザーの問題点の一つとして、「仮想通貨から仮想通貨への取り引きに使用されている」ということがあります。つまり、テザーはビットコインをはじめとする仮想通貨市場を支える役割を担っているのです。そのテザーへの信頼性が揺るぐようなことがあれば、仮想通貨市場全体が崩壊しかねません。それは「テザー砲」と呼ばれています。

 テザー砲とは、USDT(テザーの単位。1USDT=1ドルで固定)の大量発行によってビットコインを買い支えているという事実ですが、そもそも、「相当分の担保となるドルをちゃんと持っているのか?」という疑惑です。

 ドルを担保(ドルペッグ制)にしているはずなのに、そのドルがなければ……その存在しないドルを担保にビットコインの購入に使われているとしたら……。まっ、いまのところ真実はわかっていません。

 もしこの事実が真実だと報道されるようなことがあれば、一つのシナリオとして、まずはテザーの投げ売りが始まるでしょう。テザーの価値はどんどん下がる。ドルペッグ制が維持できないとなれば、一気にお金が出ていってしまう。それに連動する形でビットコインまでもが売られる。仮想通貨市場全体が混乱する……。

 問題はそのタイミングがいつか? ということです。市場規模が小さいなら、被害も小さくて済みます。しかし、市場規模が大きくなれば、大きくなればなるほど、その被害は指数関数的に増えていきます。

 たとえばヘッジファンド[富裕層や金融機関から多額の資金を集め、デリバティブなどを活用することによって高い収益を狙うファンド]の存在があります。「ヘッジファンドに輝き戻る――」としたニュースが報じられました。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-03-09/P5ASEJ6K50YJ01Dani Burger

 クレディ・スイス・グループの調査によって、投資家は18年にプラス8.5%のリターンを期待しているとされた記事。この記事に仮想通貨のことは書かれていませんでしたが、仮想通貨で運用しているヘッジファンドが大きなリターンをあげています。

 金融調査会社Autonomous Nextによれば、2017年10月18日時点で仮想通貨ヘッジファンドは110本でしたが、2月15日には226本と過去最高になったといいます。ファンドの運用資産は35億−50億ドル。
https://news.bitcoin.com/number-cryptocurrency-hedge-funds-globally/
 
 ヘッジファンドは仮想通貨のバスケット買い(いくつかの主要な仮想通貨で運用するということ)をしていますが、仮想通貨市場全体が崩壊することになれば、それも意味がありません。

 ただし、ヘッジファンドはバカじゃありません。先述したように、オプション取引などを駆使してドルを借りることで、運用益を上げることができます。それにはミニ・ヘッジファンドも動くことになり、市場規模は大きくなるでしょう。

 スタートアップ企業は資金調達にスピードを求め、数年かかる新規株式公開(IPO)では時間がかかるとみて、3ヶ月程度で準備できる「ICO(イニシャル・コイン・オファリング:企業が独自の仮想通貨を発行して資金調達する手法)」を利用しています。米国ではインターネット企業のICO調達額が現金を上回っている状況。有価証券とは異なるICOは、会計上の資本に計上する必要がありません。株式のような議決権もないので、情報開示ルールは存在しないのです。

 SBIホールディングスは今年中に、ICOで500億円規模の調達を行うと発表しています(実現すれば国内最大級の規模)。これまでそう簡単に動かせなかった巨額のマネーが、異常なほどの速さで動くようになったのです。

 もし仮想通貨市場の崩壊により、ICOで資金調達していた会社の借金の負担が増えることになると、そこには倒産するリスクも生まれます。ともなると、その会社の株は売られることになる。仮想通貨市場だけではなく、株式市場にまで影響を及ぼすことになりかねないのです。

 ほかにも、テザーの「カウンター・パーティ・リスク(ハッキングや経営破綻などによる取引相手のリスク)」もあります。2017年11月には3100万ドル(約34億円)がハッキングされています。ちなみに、テザーの返金法的に保証されていません。これが大問題。つまりは、「誰の負債でもない」ということなのです。普通、通貨とは中央銀行が発行主体となって、中央銀行の負債として発行されています。しかしこちらには負債はない。負債がない(ビジネスでなんら背負うものがない)となれば、どうなりますか? 「返済義務」という倫理観はどうなりますか?

ブロックチェーンの暗部

 ブロックチェーンの問題点の一つは「生成コスト」。仮想通貨はマイニング(※2)をおこなうことで通貨を生成しますが、決済量が増えれば増えるほど、生成コストはうなぎのぼりになります。
※2 マイニングとは「採掘」のことであり、仮想通貨に関する取引データの集合体(ブロック)が適正かどうかを、採掘者(マイナー)たちが計算し、承認する作業を競い合う仕組みです。

 承認されるということは、「新たなブロックが生成される」ということであり、マイナーには対価として一定額の仮想通貨が発行されます。マイナーはそうやって報酬を得るのです。ブロックを生成するのは早い者勝ちです。なので、競争に勝利するため、コンピュータによる膨大な演算能力が必要となるのです。これら一連の作業が、金を掘り当てるのに似ていることから、「マイニング」と呼ばれているのです。


 マイニングの報酬で一稼ぎしようと、IT企業がこぞって目をつけています。世界で最もシェアを握っているのは中国のIT企業群。「マイニング・ファーム」と呼ばれるデータ・センターを建設・運営しています(もちろん、中国だけではない)。

 マイニング・ファームなどの大規模な施設では、膨大な数のマシンを冷却するために多額の電気代がかかります。ですから、ブロックチェーンは生成コストがかかるのです(アイスランドでは2018年、国内の一般家庭で使用されるよりも多くの電力がビットコインのマイニングに使われる見込み)。

 で、怖いのは、「クラウド・マイニング」と呼ばれるもの。これは個人から投資を募り、稼いだ収益を分配する仕組みです。いわゆる株式投資と同じようなものなのですが、土台が仮想通貨という以上、先に挙げたような「カウンター・パーティ・リスク」にさらされてしまうのです。

 仮想通貨の安定性、安心性は不確実なのです。なのに人びとは浮き立っています。

 一説には、1%の人間が90%のビットコインを握っていると言われています。マイニングに関してもほぼ寡占状態だと。そんな状況下で個々人が生き残れると思いますか? アダム・スミスの「見えざる手」は、寡占している輩たちの隠れ蓑なのです。

 しかもマイニングに関して言うと、ビットコインには「半減期」が設けられていて、発行量が4年ごとに半減していく仕組みになっています。1回の計算ごとに50BTC、25BTCと支払われてきたビットコインは、2016年から12.5BTCになりました。これからも4年ごとに6.25、3、1.5と減っていきます。するといずれ、マイニングに魅力が感じられなくなります。マイニングされなくなるとどうなるでしょう? マイニングされない=ブロックが形成できない=ビットコインのシステムが成り立たない、となるのです。

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コメント(6件)

内 容 ニックネーム/日時
先日教えていただいた心理学者の本を買いました。ありがとうございました。がんばって勉強します。
今回の内容、ペッグ制のリスクはわかりました。では、なぜあえてそのシステムを取り入れることがあるのでしょうか?安定性、とはネットに書かれていましたが、ガンジーさんの説明を聞くと、危険以外の何物でもないように思えます。
カート
2018/03/13 14:23
1%の人間が90%握ってる(゚-゚)

半減期は、もとから詐欺みたいな気がしますね。相変わらず仮想通貨のCMもあるし、ハマる人はハマってるようです。

森友ゴタゴタ、すごい騒動になってます。
カネと権力は手放せない、逃げ切るつもりでしょうか。

LUNA
2018/03/14 06:21
半減期って文字見ると、ホの半減期を思い出しちゃいます(´Д` )
偽総理一味、やられ始めてますね、欠けの方も出てきてますよ。ゴミ売り新聞も犬HKまでも取り上げたりして、切るのか…。調子こいた結果か、シナリオ通りかはわかりません。
罪ムショ〜を刷新するのか、どうか。

小ネズミや偽総理時代は歯人がゾロゾロ、ヤベなんとかの職員が行方不明との噂も。
こんなゴタゴタを消すには、ヤラせテロしか…になりますが要注意です。
assassins
2018/03/15 14:31
森友文書問題、財務省で二人目の自殺者か 理財局国有財産業務課の職員

それと、下記のはやられたと思ってたけど揉み消しかと当時思ってましたが、再捜査。
絶妙なタイミングと言うか。


西部邁自殺 警視庁が事件性の疑いで再捜査
http://bunshun.jp/articles/-/6558

 今年1月21日に多摩川で入水自殺を遂げた評論家の西部邁氏(享年78)。西部氏の死をめぐって、警視庁捜査一課が再捜査に動き始めたことが「週刊文春」の取材で分かった。
「事件当初、警視庁田園調布署は、現場に遺書が残されていたことから自殺と判断しました。しかし、その後、いくつもの不可解な点が見つかった。自殺を手助けした人物がいる可能性が高いと見て、捜査一課の捜査が続いています」(捜査関係者)
assassins
2018/03/15 23:14
罪ムショ〜の女性職員も行方不明のようです。
assassins
2018/03/15 23:18
カートさん。本買ったんですね。勉強がんばってください。
質問への答えですが、ドルペッグ制にするのは、もし変動相場制となって為替相場が動くようになれば(為替リスク)、輸出入が不安定になって、安定成長が阻害される可能性があるからです。安定した相場なら、海外から投資を呼び込めます。がしかし、どっちもどっちです。
一つ言えるのは、確実に安定するシステムなどこの世には存在しない、ということです。
ガンジーの精神(管理人)
2018/03/19 08:46

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