憎しみの連鎖

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zoom RSS 「この世の終わり」の伏線ともなりうるトランプ発言の“ヤバさ”を知るべき 第1回

<<   作成日時 : 2017/12/09 21:44   >>

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「エルサレムをイスラエルの首都に」発言は、すぐに世界を泥沼化させるだろう

 今回、タイトルは違えど、一応、「北朝鮮の……」の続きとして書いています。あらゆる脅威が同時多発しています。そのすべてを点として捉えるのではなく、線として、一つの繋がったものとして見てください。尚、「なぜ、この発言が問題なのか?」は、本文後半にかけて徐々に説明していきますので、ぜひとも最後まで読んでください。

 上記のトランプの発言に対して、トルコのエルドアン大統領は先日、「レッドライン」(超えてはならない一線)と警告しました。その一線を超えようとするトランプと彼のポチたるイスラエルのネタニヤフ――。いや、逆かも。ネタニヤフと彼のポチたるトランプ……。
 パレスチナ人自治区の人びとは、6日から8日までを「怒りの日」と名づけました。そりゃ、そうでしょう。怒り、ですよ、怒り……。
 パレスチナ自治区の一つ、「ガザ」では、この地を実効支配しているイスラム教原理主義組織「ハマス」が、民衆蜂起(インティファーダ)を呼びかけています。国連はトランプ発言を受けて緊急会合を開きました。いつもはなんだかんだ言って味方するはずのヨーロッパ各国も、今回に限っては批判に回っています。日本の国連大使である別所浩郎さんは、「暴力は雪だるま式により大きな危機に容易に拡大しうる」と言いましたが、誰もがそれに同意するでしょう。
 ガザでは、イスラエル軍との衝突で、パレスチナ人2名が死亡しています。また、複数のロケット弾が発射され、この行為に対してイスラエル軍は、軍事施設を報復空爆しました。そして抗議活動はガザだけではなく、もう一つのパレスチナ自治区「ヨルダン川西岸」でも活発化しています。
 
 エルサレムはユダヤ教、イスラム教、キリスト教のそれぞれの聖地です。エルサレムには「岩のドーム」と呼ばれるものがあります。イスラム教の創始者ムハンマドが、天使と共に天に登るときに触ったといわれる岩があり、その岩を守るために造られたドームです。そのドームがある神殿の基礎部分の岩の一部が「嘆きの壁」と言われるもので、こちらはユダヤ人にとって大切なもの。なぜならその壁は、ローマ帝国によって破壊されたユダヤ人が造った神殿の一部だからです。――壁は夜になると夜露に濡れる。まるでユダヤ人の悲しい歴史を嘆いてるようだ――。その名の由来です。そして、この壁のすぐ近くには「聖墳墓教会」なるものがあります。イエス・キリストの磔刑をみなさんはご存知ですよね。イエスが十字架にかけられた「ゴルゴダの丘」に建てられたのがこの教会なのです。つまりは、三つの絶対唯一神を崇める宗教の聖地が、めっちゃ狭い土地に一緒くたになっている、ってことなのです。

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画像:https://www.bing.com/images/search?view=detailV2&ccid=0BxmX9L6&id=E46B722940FEE12F9D5795613A053D766479DEBF&thid=OIP.0BxmX9L6YfCc4aUXsaJhQwEsER&q=%e3%82%a8%e3%83%ab%e3%82%b5%e3%83%ac%e3%83%a0+%e5%9b%b3&simid=608030743850780233&selectedIndex=7&ajaxhist=0

 この3つの宗教のうち、争っているのはユダヤ教徒とイスラム教徒、キリスト教徒は穏やかなものです。イスラエルのユダヤ人とパレスチナ自治区のパレスチナ人の双方が、「エルサレムは自分たちの首都だ」と昔から主張してきました。そのうち、答えが出せないとみると、世界を交えて「2国家共存」を目標に掲げてきました。しかし、それが建前だったのは、トランプ発言後のイスラエルの態度でわかります。けっきょくは、相手の顔を伺った上での椅子取りゲームに帰結するのです。
 トランプ発言にあやかるように、イスラエルのダノン国連大使は、「エルサレムに大使館の移転を」と各国に呼び掛けています。なんてバカ野郎なんだ……。

なぜ、そんなに揉めているのか?

 第二次世界大戦中、ナチスによって殺されたユダヤ人は600万人に及ぶと言われています。
ユダヤ人の惨禍を知った世界は彼らに対して同情的になり、「ユダヤ人だけの国家をあげましょう」とパレスチナの地に「イスラエル」を誕生させたのです(実際はいろいろなプロセスがあります)。
 ユダヤ人もわたしたちと同じ人間、「政治的なことなどわかんな〜い」と芸能ネタに夢中の人だってもちろんいます(わたしがホームステイした先のユダヤ人家庭の娘さんがまさにそうでした)。しかし、どこの国にも極右や極左があるように、政治につねに関心を注ぐ者たちがいます。ユダヤ人の中にももちろん存在しており、その中でも顕著なものが「シオニズム」です。「シオニズム」とは、古代に存在していたユダヤ人の国を再建したい。「シオンの丘に帰ろうぜ!」を実現させる運動です。
 ユダヤ人は、紀元前にエルサレム周辺(それがパレスチナ)に王国を築いていましたが、1世紀にローマ帝国によって滅ぼされたことによってヨーロッパに離散(ディアスポラ)したのです。
 シオニズムを実践する人を「シオニスト」と言います。「シオンの丘」はエルサレムにあります。つまりは、イスラエルを手にしたものの、完全にはシオン(エルサレム)には帰っていない、とシオニストは思っているのです、たぶん。だからこそ、パレスチナ人がエルサレムを自分たちの首都とすることなど、とうていあり得ない、となるのです。
 
重要なポイント

 パレスチナ自治区には、2大政党の「ファタハ」と「ハマス」というものがあります。
「ファタハ」は、アラビア語の「パレスチナ民族解放運動」(Harakat al-Tahrir al-Watani al-Filastini)の頭文字を逆に綴った言葉で、「ハマス」は、同じくアラビア語で「イスラム抵抗運動」(Ḥarakat al-Muqāwamat al-Islāmīyah)の頭文字を綴った言葉です。
 この2つの政党は、同じイスラム教徒ながら抗争状態にあります。いわゆる「内輪揉め」ってやつです。ハマスは、イスラエル(=アメリカ)に対して弱腰(穏健派)のファタハとは相容れず、2007年3月、双方がせっかく「とりあえず一緒にやってみるか」と内閣を誕生させたのに、「おれらにはおれらのやり方がある」とハマスはガザ地区を勝手に占拠してしまいました。これに怒ったファタハは一方的に内閣を解散、ハマスを排除した新内閣を誕生させたのです。以後、パレスチナはガザ地区を領するハマスと、ヨルダン川西岸地区を領するファタハという分裂状態になりました。当然イスラエル(=アメリカ)は、あらゆる交渉を弱腰(穏健派)のファタハとしかしなくなりました。
 しかし時が経つと、「なんだかんだいって、分裂しても兄弟じゃないか。やっぱ、仲直りしようぜ!」とファタハとハマスが和解合意を発表したのです。それはつい2ヶ月前の10月12日。

(前略)両組織は10日、仲介に当たったエジプトの首都カイロで和解協議を開始していた。
ハマス幹部はカイロで行われた記者会見で、ファタハとの分裂に終止符を打つ決意を表明。「パレスチナの人々の統一を引き続き推進し、われわれの希望や目標を達成するほかに選択肢はない」と述べた。(後略)
https://www.cnn.co.jp/world/35108729.html


 だからでしょう。何が、だから、だって? トランプがこのタイミングで「エルサレムをイスラエルの首都に」と発言した理由です。――分裂してたはずの小分けの敵がいまや一つになって大きくなろうとしている――ってなことです。

 トランプ発言後、パレスチナ自治政府のアッバス議長は、「米国はもはや和平プロセスの支援者ではない」との声明を出しました。そして、ファタハ系の武装組織「アル・アクサ殉教者旅団」が、「イスラエルへのロケット弾はうちらがやってやったぜ!」と関与を認めています。そして今、対立軸はイスラエルとパレスチナだけではないのです。様々、いろいろ、いっぱい、本当に四方八方に敵味方が入り乱れているのです。果たしてこのような状況で、誰が的確な判断を逐一下せるのでしょうか? 誰も下せません、策士以外は。わたしは、これらの混乱は意図されたものだと思っています。つづく……。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
小競り合いが始まりました…

北の国からは船が。ネットで見たんですが、北の国は日本の食料品がズラっと並んでるとか…⁈ 横田幕府からは定期便みたいの飛んでるとか。機体は国籍不明になってるとか。
どこぞの誰かが困るとミサイル祝砲するとか。
assassins
2017/12/10 10:58
国連で投票結果、認められなくてトランプ激怒。
認められないのわかっていてワザとやった、ではないですよね⁈
日本は追随かと思いきや、NOでした。まだマシなのかNOにしろと言われたのか…⁈
assassins
2017/12/25 05:45

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