憎しみの連鎖

アクセスカウンタ

zoom RSS トルコのクーデター未遂に翻弄される世界@

<<   作成日時 : 2016/08/02 21:10   >>

トラックバック 0 / コメント 6

はじめに

 先日、トルコで発生した「クーデター未遂」のニュースを皆さんはご存じですか?日本では、東京都知事選のニュースで持ち切りだったので、国際情勢に関するニュースには目が行っていなかったかもしれません。……このニュースはとても重要です。トルコのクーデター未遂は、決して対岸の火事では片付けられません。ただし、「日本でもクーデターが起る!」と言っているのではありません……今のトルコ情勢に対して言える“独裁”という点で、いずれ日本も類似すると言いたいのです。

クーデター未遂の背景

 エルドアン大統領は、2014年に大統領に就任しました。それ以後、独裁色が強くなって行き、トルコのイスラム化政策を推し進めました。この政策に対して嫌悪感を抱いていたのは軍部です。なぜなら、軍部は世俗派を自負していたからです。政教分離がエルドアン大統領によって反故されることを危惧していました。そして次の事件が起こるのです。
 
2016年7月15日夜、トルコ軍の一部反乱勢力がイスタンブルのボスポラス海峡に架かるボスポラス大橋とファーティフ・スルタン・メフメト橋を部分的に封鎖し、首都アンカラ上空では軍用機で低空飛行を行ったほか、イスタンブルやアンカラの路上には兵士が展開した。(中略)またイスタンブルにあるアタチュルク国際空港の周辺には戦車が展開され、同空港に到着予定だった航空便はキャンセルされた。また、作戦初期の段階で参謀総長のフルシ・アカル(英語版)がアキンジ空軍基地で反乱勢力に身柄を拘束され、人質となった(Wikipedia:「2016年トルコクーデター未遂事件」)。

 結局、このクーデターは未遂で終わりますが、トルコ政府は27日、新聞社やテレビ局などメディア約130社の閉鎖を命じました。その際、資産は没収し、国庫に移したとのことです。報道関係者も次々と拘束し、言論弾圧に拍車が掛かっています。政権の意に沿わない報道を続けるメディアやジャーナリストを拘束することが、世間への見せしめとして機能しています。
 トルコは、このクーデターを指導したのはフェトフッラー・ギュレンであると断定しています。だからこそ、エルドアン大統領はギュレン師の支持勢力の排除を一段と加速させています。その拡大は右派左派関係なく、エルドアン大統領の母体でる「与党公正発展党(AKP)」以外になっています。
 エルドアン大統領は、軍と情報機関を大統領の指揮下に置く意向を示していますが、指揮権の変更には憲法改正が必要であり、彼を支えるAKPは、改正に必要な議席数5分の3以上を保持しておらず、実現するかはどうか野党の協力次第だそうです。そして恐ろしいニュースが流れました。エルドアン大統領と、少数民族のクルド系政党を除くトルコ国会550議席の与野党3党首の緊急会談が行なわれた結果、新憲法制定に向けた取り組みで、野党党首と合意したのです。現行の「議院内閣制」から大統領が強い権限を持つ「実権型大統領制」移行への憲法改正の必要性をかねてから訴えていたエルドアン大統領にとって、まさに吉報と言えるでしょう。
 強権的なエルドアン体制に批判的だった地元有力紙『ザマン』は、裁判所の決定により現在は政府の管理下に置かれています。エルドアンは「ギュレン運動」の排除を圧倒的なスピードで進めていますが、実際はどの程度この運動がクーデター未遂に関係しているかは、はっきりしていません。
 IS掃討作戦を続けるアメリカは、トルコ政府が使用を許可した「インジルリク空軍基地」を対IS作戦の最重要拠点としています。米国務省のカービー報道官は、「民主的に樹立された政府への脅威があった」とし、トルコ政府への一定の理解を示したようですが、アメリカはそんな呑気な発言をしている場合ではないです。どうやら、「ギュレン運動」の感化を受けたクーデター未遂は未だ進行中であるとし、何千ものトルコ警察によって「インジルリク空軍基地」が閉鎖されているのです……閉鎖?なぜ?ってなりますよね。それは次の事実があったからです。

クーデター未遂にCIAが関与

 Sean Adl-Tabatabai氏は、アメリカとNATOが共謀し、今回のクーデターを起こすために、トルコの反乱勢力に20億ドル支払ったと述べています。 その為にCIAを使ったと……。彼が示した内容では、CIA職員(スペシャル・チームの80)がこの事件に関わったており、彼らの口座からお金を引き出し、軍部の反乱勢力に渡すことでクーデターを助長したと。
http://yournewswire.com/u-s-paid-2-billion-for-turkey-coup/

そして同氏は、CIA職員が暗殺未遂で逮捕されたという記事を載せています。

CIA Agents Arrested In Turkey For Erdogan Assassination Attempt Erdogan
CIA職員、エルドアンの暗殺未遂で逮捕される


画像
画像:http://yournewswire.com/cia-agents-arrested-in-turkey-for-failed-erdogan-assassination-attempt/

そしてこの職員がロシア機を撃ち落した者と言っているのです。下記に引用します。

President Putin has been notified of the arrest of two CIA agents who Turkey say shot down a Russian plane last November, and attempted to assassinate President Erdogan.
プーチン大統領は、2人のCIA職員が、去年の11月にロシアの飛行機を撃ち落とし、さらにこの2人がエルドアン大統領を暗殺に臨んだとトルコ政府から通知されました。

According to the Ministry of Foreign Affairs (MoFA) for the Republic of Turkey, the two captured CIA pilots were not only responsible for shooting down the Russian Sukhoi Su-24m bomber over Syria last year, but also attempted to kill President Erdogan during the failed “coup” attempt a few days ago.
トルコ外務省(MoFA)によると、2人の捕らえられたCIAパイロットは、昨年、シリア国境を越えたロシアのSu-24m戦闘爆撃機を撃ち落とす役割を果たしただけでなく(管理人注:表上は、トルコ軍のF-16戦闘機に撃墜され、シリア北部に墜落したとなっております)、数日前に失敗したクーデターで、エルドアン大統領の暗殺を試みました。

The MoD further warned that the Obama regime was planning to kill President Erdogan in a coup and replace him the CIA’s “designated figurehead” Fethullah Gulen—and that Turkey’s MoFA confirmed just hours ago was behind this plot by stating that “the Fethullah Gülen Terrorist Organization is behind this coup attempt”.
トルコ国防省は、オバマ政権が、エルドアン大統領の殺害をクーデターの混乱の中で計画していたと述べています。そしてエルドアン大統領殺害後は、CIAの表看板であるギュレン師にすげ替える予定になっていたと。トルコ外務省が数時間前に確認したことは、ギュレン師率いるテロ集団が、このクーデター未遂の背後にいるということです(管理人注:私は懐疑的です)
http://yournewswire.com/cia-agents-arrested-in-turkey-for-failed-erdogan-assassination-attempt/

 一部陰謀論では、クーデター自体が自作自演として捉えられています。その根拠として次のことが挙げられます。『フィナンシャル・タイムズ』紙の7月20日付の記事からです。

「失敗に終わったトルコのクーデターについて、まだ解明されていない謎がいくつかある」として、次の内容を示しています。
 その1つは、16日土曜の朝、ヘリコプターに乗った奇襲部隊がトルコ南西部マルマリスのリゾートホテルを襲撃した一件だ。
 トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領がこのホテルに滞在しているはずだった。だが、襲撃があったのは、トルコのすべてのニュースチャンネルがおよそ750キロ離れたイスタンブールの空港から国民に向けて演説するエルドアン氏の映像を流してから1時間近くたった後のことだ。
 このエピソードは、今回のクーデターにまつわる多くの矛盾と奇妙な出来事の1つだ。


 上記しているように、事件当日、エルドアンは休暇のため、リゾート地マルマリスのリゾートホテルに滞在していました。反乱勢力は、このタイミングを利用してエルドアンを攻撃することを決定したと言います。ただし、この記事と次に示す記事は大きく矛盾しています。

 
クーデターがどのように進められたのか。複数のメディアによる報道や、政権関係者の話から、詳細が少しずつ明らかになってきた。
 現地時間の7月15日午後10時過ぎ、首都アンカラの北西部にあるアキンチ空軍基地から複数のF16戦闘機が離陸した(最大で6機とされる)。アキンチ空軍基地は反乱部隊の戦略拠点として使われていたとトルコメディアは報じており、前空軍司令官のアキン・オズトゥルク氏はクーデターの首謀者として後に身柄を拘束されるが、本人は現在もクーデターへの関与を否定している。
 トルコ人軍事ジャーナリストのアルダ・メヴルトグル氏がまとめた情報によると、アキンチ空軍基地から離陸したF16戦闘機は、近隣の陸軍基地から離陸したヘリコプターの支援を受け、アンカラ市内で低空飛行を繰り返した。アンカラ郊外にあるトルコ警察特殊部隊本部ではF16による爆撃で少なくとも47人の警察官が死亡した。また、アンカラ周辺にある複数の警察関係の建物や情報機関の本部ビルは、ヘリコプターによる機銃掃射のターゲットとなった。ヘリコプターからの機銃掃射は民間人に対しても行われた。
 同じ頃、トルコ南部にあるインジルリク空軍基地から複数の給油機が飛び立ったという報道もあった。これらの給油機はクーデター部隊を支援するために離陸したと思われるが、メヴルトグル氏によると、クーデターで使われた戦闘機が実際に空中給油を行ったのかは不明だ。後述するが、シリア国境にも近いインジルリク空軍基地は、米軍とトルコ軍が共同利用している空港で、最近ではイスラム国に対する空爆の前線基地となっている。
 エルドアン大統領は休暇でトルコ南西部のリゾート地マルマリスを訪れていたが、CNNトルコの報道によると、大統領が宿泊するホテルを約25人の兵士を乗せた複数のヘリコプターが急襲。ヘリからロープでホテルに降りた兵士は発砲を繰り返しながら、エルドアン大統領を探したものの、ヘリが到着する約20分前に大統領や側近はホテルを離れていたのだという。

 わかりましたか?時系列がおかしいのです。『フィナンシャル・タイムズ』紙は、反乱分子がマルマリスのリゾートホテルを襲撃したのは、イスタンブールにエルドアン大統領が到着した(正確にはイスタンブールの空港から国民に向けて演説した)1時間後と書いていますが、後者の記事では、エルドアン大統領は、襲撃を受ける20分前まではホテルにいたことになっています。この時点で、エルドアン大統領はイスタンブールにいるわけがありませんね。一体どちらが正しいのでしょう?情報が錯綜しています。そして、同記事は次のように続きます。

 
エルドアン大統領は専用機でマルマリスを離れ、イスタンブールに向かったが、飛行中に2機のF16戦闘機にロックオンされていたという。トルコ政府高官がロイター通信や英ガーディアン紙に語ったところによると、大統領専用機がロックオンされて間もなく、専用機と戦闘機のパイロット同士で無線の交信が行われた。専用機のパイロットは「これはトルコ航空の民間旅客機だ」と主張。大統領専用機に対してミサイルが発射されることはなく、エルドアン大統領を乗せた専用機はそのままイスタンブールに向かったのだという。エルドアンはビジネスジェット機でイスタンブルに向かうため午後10時40分頃にマルマリスから車で約1時間15分程度の場所にあるダラマン空港(英語版)を出発するが、最中に反乱勢力のF16戦闘機2機に追いかけられ、何度も飛行の邪魔をされたものの、反乱勢力のパイロットはなぜか最後までミサイルを発射することはなかった。
https://thepage.jp/detail/20160721-00000002-wordleaf

 このパイロットが、当記事の「クーデター未遂にCIAが関与」の項で示したCIA職員だと一部主張されています。彼らはエルドアン大統領の航空機を破壊するために空対空ミサイルをロックしましたが、オバマ政権より「すぐに任務を中止してインジルリク空軍基地 に戻れ」と命令されたのだと。
http://yournewswire.com/cia-agents-arrested-in-turkey-for-failed-erdogan-assassination-attempt/

 一体何が起こったのでしょうか。または、この話は真実なのでしょうか?CIA主導のアメリカによる陰謀ならば、エルドアン大統領を殺害してもよかったはず……。殺害しなかったということは、エルドアン大統領自身が主導した自作自演なのか?または、そこには何も陰謀的なものは無かったのか?難しい……何よりも言えることは、今回のクーデター未遂によって、国内の「ギュレン派」に対する弾圧を行う大義名分が生まれ、恩恵を受けたのは他ならぬエルドアン大統領自身だったということです。そして、あくまで私の推測ですが、トルコがアメリカ、NATOを牽制している今、背後にロシアがいる可能性も捨て切れません。

画像
画像:http://jp.sputniknews.com/opinion/20151129/1243650.html

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

コメント(6件)

内 容 ニックネーム/日時
ロシアが背後に、というのも考えられますね。

http://www.jcp-tokyo.net/2016/0803/104846/

帝国憲法うんぬん↑

都知事が女性、米大統領も女性、というのも有りですね。
assassins
2016/08/05 07:41
露大統領とトルコ大統領、関係正常化で一致、とニュースでやっていました。いましたね、ロシアが背後にって思います。
ここ数日、夏バテして具合悪くてスマホ見るとめまいがして、ここに来るのが遅くなりましたm(_ _)m今はだいぶ回復してまた喫茶店に来て涼んでます。ついでにモーニング食べようかな(笑)
暑さが続きますが、皆さん気をつけて下さいね。
陛下のスピーチ、3時11分に終わりましたね…色々と見えないところで何かうごめいてるとは思います。
それにしても北の国さんは自民政権のために、やたら打ち上げ花火してくれてますね。
LUNA
2016/08/10 08:02
LUNAさん、大丈夫ですか⁇ 暑いと食欲落ちますが、食べられるならスタミナつくようなメニューが良いですね。お大事にして下さいね。
私は昨夜遅くから腸炎になりました。おなかの左下が痛くて、今はだいぶおさまりましたが押すと痛いです。おまけに今朝出勤したら、まるで日曜なみで昼まで1人だしヒィヒィ言ってました。思うように仕事進まなくてイライラでした。う〜おなかが痛い(T_T)
と、ガンジーさんは元気なのてしょうか⁇
assassins
2016/08/10 20:32
私ガンジーの精神は元気ですよ。すいません、なかなか記事を書けなくて……。assassin sさんは、ヒラリーのことを書いてましたが、自分は、トランプの態度や政策の方向性から、国際情勢を読むのが正直難しくなってます。ただ、たとえトランプが権力を握ったとしても、スーパーリッチのフロントにすぎないことだけは読めます。彼を不動産王と祭り上げていますが、それは「小金持ち」の中の話です。本当の不動産王は別にいます。
ガンジーの精神(管理人)
2016/08/15 02:50
おはようございます。
記事は、本当、お時間がある時に無理せずにで良いと思います。どうかガンジーさんの負担にならないようにお願いしますm(_ _)m
LUNA
2016/08/16 07:30
今晩は。
プーチン大統領はトランプ氏をおしてるみたいな…
居る皆茶の例のカード。オバマらしき人物が玉子⁈投げつけられてるようなのありましたよね⁈ トランプみたい人物がパニックメーカーと書いてあるのも。
オバマのカードまだ未使用ではないでしょうか。
assassins
2016/08/16 18:39

コメントする help

ニックネーム
本 文
トルコのクーデター未遂に翻弄される世界@ 憎しみの連鎖/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる