憎しみの連鎖

アクセスカウンタ

zoom RSS 民主主義の終焉と軍事国家への移行A

<<   作成日時 : 2016/07/21 14:09   >>

トラックバック 0 / コメント 3

画像
画像:http://www.data-max.co.jp/271113_ymh1/

前回の続き


 前回は「国家緊急権」に的を絞りましたが、今回は自民党が掲げる「緊急事態条項」について話したいと思います。ここ最近、新聞の一面を見るたびにテロ事件が取り上げられています。まるでルーティンを持っているかのようにテロが繰り返されている昨今、安倍首相を筆頭に、「極右」と呼ばれる人々は、「目には目を歯には歯を」の精神で軍事化に邁進することでしょう。「防衛」という名の下では、「軍事化」というドラスティックな言葉は決して不埒なことではなく、人々には必要不可欠と映ってしまうのです。そしてその事実を権力者である彼らは知っていて、次の展開を「どうしようかなー」と考えます。だからこそ、そんな時だからこそ真剣に、慎重に、論理的に、道徳的に物事を考えなければならないと思います。
 政府は弱者への予算配分を先細りにし、防衛費に巨額の予算を組み込んでいます。安倍政権は、もはや「戦争します」と声高々に謳っているようなものです。集団的自衛権の行使容認を踏まえての判断でしょうが、高い攻撃力を持つ武器をいくつも購入しています。2015年には、対潜哨戒機「P1」を20機をまとめ買いしましたが、一括払いではなく、7年契約で購入しました。このような購入方法を「後年度負担」と呼びますが、字のごとく、ツケが将来に回ります。
 東大は軍事研究の「一切禁止」を謳っていましたが、そのガイドラインを変更し、軍事研究を一部容認しています。「成果が非公開となる機密性の高い軍事を目的とする研究は行なわない」と定めていますが、みなさんご存じの通り、「特定秘密保護法」というものがあります。実際に機密を定めるのは防衛省です。空文となるのは目に見えています。
 次に「緊急事態条項」を示しますが、条文をよく吟味してみてください。人の意見を聞くことは大事ですが、鵜呑みにするのは危険です。もちろん当ブログ管理人である私の意見もです。判断するのはみなさんです。……批評することはとても大事だと思います。私が尊敬する哲学者ジャン=ポール・サルトルは、「批評家とは、他人の思想について思考する人間である」と言いました。「でも、批評家ってすべての人間じゃないかな?」私はそう思います。だからこそ、とことん考え抜きたいものです。ちなみに、私は「緊急事態条項」については大反対です。ただ大事なことは、自分が辿り着いた見解を絶対視せず、必ず反対意見にも耳を傾けることです。なぜなら、その反対意見こそが論理的見解であり、国民にとって恩恵がもたらされるものであるかもしれないからです。または逆に、「国民を欺く愚の骨頂である」という事実に気付くかもしれませんし。「真」というものを見極めることはとても難しいものであります。感情高ぶっての「断定する」という作業は、盲目的見解と言えるでしょう。人というのは劇的な物語に惹かれるものです。……劇的な物語であってほしいと願う……とも言えます。そのような時の人間の心理は「矛盾を考慮しない」になります。精神的奴隷人間になるか否かの鍵はここにあります。


緊急事態条項である第98条と第99条

 下に示すのは、自民党が掲げる改憲案に盛り込もうとしている「緊急事態条項」についてです。まずはその条文を読んで下さい。

憲法改正草案 第98条 (緊急事態の宣言)

第九十八条
内閣総理大臣は、我が国に対する外部からの武力攻撃、内乱等による社会秩序の混乱、地震等による大規模な自然災害その他の法律で定める緊急事態において、特に必要があると認めるときは、法律の定めるところにより、閣議にかけて、緊急事態の宣言を発することができる。


緊急事態の宣言は、法律の定めるところにより、事前又は事後に国会の承認を得なければならない。


内閣総理大臣は、前項の場合において不承認の議決があったとき、国会が緊急事態の宣言を解除すべき旨を議決したとき、又は事態の推移により当該宣言を継続する必要がないと認めるときは、法律の定めるところにより、閣議にかけて、当該宣言を速やかに解除しなければならない。
また、百日を超えて緊急事態の宣言を継続しようとするときは、百日を超えるごとに、事前に国会の承認を得なければならない。


第二項及び前項後段の国会の承認については、第六十条第二項の規定を準用する。この場合において、同項中「三十日以内」とあるのは、「五日以内」と読み替えるものとする。
http://tcoj.blog.fc2.com/page-0.html

 
 「緊急事態条項」は、大規模な自然災害やテロなどの有事の際、緊急事態の宣言を行い、内閣総理大臣等に一時的に権限を与えることになっています。注意すべき点は、宣言を発したら内閣総理大臣が何でもできるようになるわけではなく、その効果は次の99条に規定されていることに限られるということです。今度はその99条を見てみましょう。


憲法改正草案 第99条 (緊急事態の宣言の効果)

第九十九条
緊急事態の宣言が発せられたときは、法律の定めるところにより、内閣は法律と同一の効力を有する政令を制定することができるほか、内閣総理大臣は財政上必要な支出その他の処分を行い、
地方自治体の長に対して必要な指示をすることができる。


前項の政令の制定及び処分については、律の定めるところにより、事後に国会の承認を得なければならない。


緊急事態の宣言が発せられた場合には、何人も、法律の定めるところにより、当該宣言に係る事態において国民の生命、身体及び財産を守るために行われる措置に関して発せられる国その他公の機関の指示に従わなければならない。この場合においても、第十四条、第十八条、第十九条、
第二十一条その他の基本的人権に関する規定は、最大限に尊重されなければならない。


緊急事態の宣言が発せられた場合においては、法律の定めるところにより、その宣言が効力を有する期間、衆議院は解散されないものとし、両議院の議員の任期及びその選挙期日の特例を設けることができる。
同前


 安倍首相がこれらの権限を有することが出来、国民に恐怖を煽ることでいかなることでも「緊急事態」に認定できるというのが、これら条文の怖いところであります。
 98条では、「特に必要があると認めるときは、法律の定めるところにより、閣議にかけて、緊急事態の宣言を発することができる」とあります。
 注意すべき点は、同条2項に「緊急事態の宣言は、法律の定めるところにより……」とありますが、事後の国会承認でも構わないというところです。ある意味、「後々のことなんか知らねー、やっちまったもん勝ちさ」と、言葉は汚いですがそのように捉えることが出来ます。そして、宣言されると憲法が停止されるということが問題であり、立法=政府となり、三権分立が反故されます。
 同条3項の「百日を超えて緊急事態の宣言を継続しようとするときは、百日を超えるごとに、事前に国会の承認を得なければならない」ということは、事前に国会の承認を得られるならば、いくらでも継続できるということです。前回も示しましたが、ナチスの「全権委任法」は33年に制定された4年間の時限立法であり、37年に失効するはずでしたが、その後も延長し続け、最終的には43年を最後に国会さえ召集されなくなりました。このような事態にならないとは一概には言えないのです。なぜなら、「緊急事態」が収まりつかないことを主張し、継続すればいいのですから。
 第99条では、「緊急事態の宣言が発せられたときは、法律の定めるところにより、内閣は法律と同一の効力を有する政令を制定することができる」とあります。「同一の効力」なので、政令だけで法律を改正でき、思うがままに命令できる権限になるのです。
 また、同条第3項では「緊急事態の宣言が発せられた場合には、何人も、法律の定めるところにより、当該宣言に係る事態において国民の生命、身体及び財産を守るために行われる措置に関して発せられる国その他公の機関の指示に従わなければならない」とあります。公権力が国民に対し指示することは、憲法上の根拠がなければ無理です。なぜなら、国民の自由権が制約されるわけです。避難指示は当該人の命を守るためなので現行憲法のままでも出来るのですが、それが他の何かを守るために義務を課すような場合は、現行憲法第18条「何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない。又、犯罪に因る処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服させられない」に触れてしまうのです。危機に瀕することはさせてはならないと「国民保護法」にも規定しています。 自民党は武力攻撃事態を想定しており、国民が逃げ惑い、カオス状態になることを考えていることでしょう。「国民保護法」では、国民への要請は全て「協力を求める」としか規定できていないので、憲法での明確な後ろ盾が欲しかったというのが本音でしょう。
 また、同条第4項では、「緊急事態の宣言が発せられた場合においては、法律の定めるところにより、その宣言が効力を有する期間、衆議院は解散されない」とあります。国会議員たちは、解除の宣言を総理大臣がするまで国会議員の身分が保証されるのです。つまりは、緊急事態の間、彼ら国会議員たちは終身保険のごとく生活が保証されるのです。なぜなら解散されないのですから。薄ら笑いを浮かべる嫌な奴を選挙によって落選させることが出来なくなります。北朝鮮の金体制と言えるでしょう。東日本大震災の時のような「法律で特例を設けての延長」は、あくまで「特例」なので、「終身あなたの生活を保障しますよ」には至りません。土台のもろいものになります。しかし、憲法を停止させれば明文化したものが無くなるわけですから、緊急事態の間は悠々自適となるのです。

 安倍さん大好きの好戦派である櫻井よしこも、「憲法改正して緊急事態条項を!」と声高々に叫んでいます。

画像
画像:http://tanakaryusaku.jp/2016/05/00013539

 ……最もらしく、そんな彼女が次のようなことを指摘されていることは皆さんは知っているでしょうか?次の内容は『リテラ』が掲載したものです。


改憲派のリーダー・櫻井よしこは「言論人の仮面をかぶった嘘つき」だ! 憲法学者・小林節が対談を捏造されたと告発

 
(前略)
 「櫻井さんに知識人、言論人の資格はありません。言論人の仮面をかぶった嘘つきです」
 「櫻井さんの言説は理論ではなく、櫻井さんの好き嫌いを表現した感情論、あるいは櫻井グループの利害を表現した損得論に過ぎないということです。バカバカしい」

 こんな発言をしたのは、憲法学者の小林節・慶應義塾大学名誉教授だ。もともと、自民党の改憲論議に付き合ってきたタカ派の改憲論者で、近年、安倍政権の立憲主義を無視した暴挙に危機感を表明したことで知られる(中略)。小林節教授は、(中略)「月刊日本」のインタビューでかつて櫻井陣営から受けた卑劣な“発言捏造事件”を暴露している。
 以前、小林教授が「週刊新潮」(新潮社)で、外国人参政権について櫻井氏からインタビューを受けるという企画を受けたときのこと。だが、取材当日、櫻井氏本人は登場せず、中年男性のアシスタントが聞き手としてやってきたという。そこで、小林氏は櫻井側からこんな“提案”を受けたという。

 「そのやりとりの中で、向こうが『櫻井は『納税は公共サービスの対価だ』と言っている。これを小林先生のセリフにしてほしい。バシッと決まりますから』と言ってきたから、私は『その主張は間違っています。憲法学者として嘘を言うことはできません』と断りました」ようは、ただでさえ別人によるインタビューであることに加え、なんと櫻井氏側は、完全なる“ヤラセ”を仕掛けていたのだ。小林教授が言ったことにして自説を広めようとする詐欺的行為も下劣きわまりないが、しかも、小林教授が誤りを指摘したにもかかわらず、あとで掲載されたものを見ると「堂々と『納税は道路や水道や教育や治安等の行政サービスの対価である』と書いてあった」という(中略)。
 まさに、小林教授のいうように、櫻井氏は自分の主張を貫き通すために、平気で「嘘を発信」しまくってきたのだ。こんな人物をアイドルのように祭り上げる右派論壇の頽落たるや、もはやため息もでないが、しかし問題にすべきは、安倍首相が櫻井氏を重用して、いま、積極的に“政権別働隊”として改憲のための世論操作を仕掛けていることだろう。
 「大きな嘘でも幾度となく繰り返せば、最終的に人々はその嘘を信じる」とはナチスドイツの宣伝省大臣だったゲッベルスの言葉だが、やはり、安倍政権はこのナチの手法に倣っているらしい。“エセ言論人”と安倍政権の策謀に、われわれは決して騙されてはならない。
http://lite-ra.com/2016/05/post-2206.html

 2回で終わることが出来ないので次回も続けますが、今度は海外のことも取り上げ、日本が、世界がどうなるかを論じたいと思います。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

コメント(3件)

内 容 ニックネーム/日時
事後承諾に、政治家永久就職、自滅党永久ループ。ついでに閣議決定内閣。
年金崩壊、ゆうちょに農林中金、破綻ごまかすには戦争とか。
10月1日から保険拡大があり月々の規定時間こえて働いたら社会保険に強制加入です。会社と本人が半分ずつ負担、国は両方から搾取できます。吹っ飛んだ年金に回すのかと思ったけど、そんな事しない。更に小遣い増やしするだけ。
銀行の営業時間も自由みたくなるそうです。バブル演出のため⁈ そしてまたハジけさせる。営業時間がもし長くなっても貧困層には無関係ですね。コガネ持ち以上でないと。
assassins
2016/07/22 08:31
98の、その他の法律で定める緊急事態において、とは具体的に何が緊急事態でしょうか。内乱と言うか、ヤラセテロとか⁇テロなら内乱に含まれるかな。

緊急事態の宣言が発せられた場合には、何人も、法律の定めるところにより、当該宣言に係る事態において国民の生命、身体及び財産を守るために行われる措置に関して発せられる国その他公の機関の指示に従わなければならない。

は、外国人も対象になりますね。しかし、
緊急事態の宣言が発せられた場合には、何人も、法律の定めるところにより、当該宣言に係る事態において国民の生命、身体及び財産をボッタくるために行われる措置に関して、と変えた方が。

99
緊急事態の宣言が発せられたときは、法律の定めるところにより、内閣は法律と同一の効力を有する政令を制定することができるほか、

は、好き勝手に法律作れてしまいます。


内閣総理大臣は財政上必要な支出その他の処分を行い

は、緊急事態だから支出もありますが、その他の処分ってまさかおカネないからインフラを外資に叩き売りとか。こうなると年金どころか福祉関係の支出なんか緊急事態だからおカネないから全て停止、にもなりそう。

苦役と言えば石破氏が兵役は苦役じゃない、とかたわごと言ってませんでしたか⁈
櫻井悪し子、あなたも前線に行きましょうね。私が行く時は是非ご一緒に。言い出しっぺのうちの1人なんだから責任とらせなきゃ。

緊急事態をあおりまくって、いつまでも引き伸ばし、議員みんな安泰に。

ガンジー様が以前のブログ記事で、両建てについての話がありましたが。右と左に分けてどっちも支配ですが、左右にして何かやってるフリ、とかも。政治ショーとかも。私は与野党グルとしか思えなくなってます。
LUNA
2016/07/22 10:09
LUNAさん、左右のお話、民主主義をかもしだすために、ですね。あとは広くしたらヘーゲルの正反合にもつながりますね。以前、ガンジーさんの記事にありましたね。
assassins
2016/07/24 11:09

コメントする help

ニックネーム
本 文
民主主義の終焉と軍事国家への移行A 憎しみの連鎖/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる