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zoom RSS イギリスのEU離脱は世界恐慌の付箋となる

<<   作成日時 : 2016/06/26 07:36   >>

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画像:http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2016/06/post-5347.php

はじめに

 24日付『日経新聞』夕刊一面では、日本時間6:00頃1ドル=106円前後で推移していた円が、1ドル=99円まで急騰したことを告げていました。円相場が100円を突破するのは2013年11月以来とのことです。「安全資産への移行」という現象とも捉えられますが、これは丁寧な言い方をしているだけで、実際は単なる「資金の逃避」と言えるでしょう。安全資産へ移行したのではなく、日本という「対岸の火事」のその対岸へ、「ほんの少しお邪魔しただけ」ということです。いきなり火事の煽りを受けることはないだろうと考え、投機的思惑がそうさせているだけでしょう。実際、円が乱高下を繰り返したのがその左証です。円買いが起きたのは「流動性選好」であり、消去法で円が選ばれたにすぎないでしょう。

なぜ離脱と残留の問題が噴出したのか?

 「英離脱で高まる「EU分裂」の恐怖 〜テロ・低成長・移民で苦しむ欧州にもたらされる新たな危機〜」と題された記事が『ウォール・ストリート・ジャーナル』に掲載されました。「欧州各国と西側世界全体は衝撃を受けている」と書かれていましたが、この衝撃は今後どのような物語を描くのでしょう。
 イギリスがEUの前身である「欧州共同体(EC)」に加盟したのは43年前の1973年 、EUは現在28ヵ国までに加盟国を増やしました。ただし、欧州の統合は資源の奪い合いを回避する目的で1952年に設けた「欧州石炭鉄鋼共同体(ECSC)」が元々の始まりです。第二次世界大戦での阿鼻叫喚だった世界を改善しようと、「敵ではなく仲間になろう」という考えから統合へ向けて動いたのでした。この歴史的転換点の山頂が見えてしまったかのように、今度はイギリスの離脱で麓まで下って行くのでしょうか?かつて大英帝国は「日の沈むことのない帝国」と言われました。世界中に植民地を持っており、常にどこかで日が昇っているのでそう言われたのです。その頃はポンドが世界を席巻していました。離脱派の「主権を取り戻せ」という主張には、大げさかもしれませんが、帝国思想が含まれているのかもしれません。今回の出来事に関して、離脱派、残留派、双方の言い分を単純明快に表すと下記のようになると思います。

離脱派
⇒@移民の流入が雇用を奪う。

残留派
⇒A離脱による経済的リスク。

 ここでAについて少し私の意見を述べたいと思います。離脱による経済的リスク……確かに、今後のイギリス経済を巡る先行きの不安からポンドが売られる可能性は大でしょう。そのおかげで経常赤字が拡大するかもしれません。金融業の国外移転は誰もが懸念することだと思います。ただし、「ロンドン・シティ」という国際金融センターをイギリスは有しているので(EUにはそれに替わるだけの金融センターがない)、その存在のおかげでこれまでと同等の経済的な地位やメリットを享受できる可能性があると言われています。……そうでしょうかね?EUには、金融機関が加盟国のどこかで許可を取れば、他の国でも営業できるルールがあります。わざわざ煩雑で手間がかかってしまう側(イギリス)を選択するでしょうか?イギリスは今後、資金調達のために金融緩和を余儀なくされることでしょう。なぜなら、これまではイギリスの輸出先の47%がEUからであり、輸入元も54%がEUから(『東京新聞』24日付 総合2面)だったからです。EUに残留すれば、圏内で自由に移動、労働が出来、域内非関税の恩恵も受けられます。それでも主権を取り戻すことができ、移民の流入を阻止できるのであれば、欧州の人々には魅力的に見えるかもしれません。EUに最大の拠出金を提供し、EUの財政を支えているのはドイツです。ドイツはEU総予算の約3割を拠出しています。ドイツ国民のフラストレーションがどこまで耐え得るのでしょう。今回イギリスが離脱したことでその拠出金は大きくなることは予想できます。

ウォーレン・バフェットが「time bomb (時限爆弾)」と読んだCDSとは何か?

 CDSは「クレジット・デフォルト・スワップ」のことであり、簡単に言えば「金融商品の元本を保証する」ということです。一瞬、普通に納得して終わりそうな話ですが、CDSは「核のボタンに匹敵する」とも言われているのです。なぜでしょう?まず、相対取引なので、保険を引き受けた側は損害がでたら理由を問わず保証しなければなりません。企業は倒産しても大丈夫なように保険をかけますが、その保険の額が相場としてCDS市場で取り引きされるのです。株式や債券といった金融商品そのものを取引するのではなく、それらに派生して生まれる権利などを売買したり契約を結んだりする金融商品を「デリバティブ(金融派生商品)」といいますが、CDSはデリバティブの一種です。デリバティブは必ずや投機的手段として利用されるのが常です。CDSが一般的な保険などとは異なり、実際に債権を保有していなくても取引き出来ます。

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画像:https://www.nikkei4946.com/knowledgebank/index.aspx?Sakuin2=509&p=kaisetsu

 この目に見えないデリバティブという世界が私たちを奈落の底へと落とすのです。そしてこのCDSも証券化商品として利用されているのです。

証券化商品とは?

 ここではサブプライム・ローンを例に挙げます。当時、アメリカの住宅ローンのうちサブプライム・ローンは30%もありましたが、そのほとんどが破綻しました。博打とも言える危険極まりないローンに普通なら手を出しませんが、折りしも住宅バブルの真っ盛り、「多額の借金をして住宅を買っても、住宅価格が上昇し続ければ絶対に差額で儲けることが出来る!」これが破綻の原因でした。そんな希望的観測はあるわけがないのです。そして、儲けを企む者たちは、サブプライム・ローンを別の健全な住宅ローンと組み合わせて「証券化商品」という名前で世界中に販売したのです。この教訓を得ているはずなのに、CDSも証券化商品となっているのです。
 Wikipediaには2008年6月のデータが載っていますが、CDSの想定元本が54兆ドル(5400兆円)になっており、世界のGDPに匹敵しています。また、2007年6月の日本全体では、8128億ドル(81兆円)になっており、もはや国家予算並です(しかしながら両者とも現在は減少しています)。破綻した理由を問わず保証するのがほとんどであるので、理由をつけて逃れることは出来ません。もし、今回のEUからのイギリスの離脱による信用不安などにより、「システミック・リスク(特定の金融機関や市場が機能不全となったならばそのことの影響が他の金融機関や市場にまで、さらには金融システム全体にまで波及する金融危機を起こすというリスク Wikipedia、「システミック・リスク」)」が起これば、CDSの流動性が損なわれ転売は極めて困難になるでしょう。金融に関する用語で「ブラック・スワン」という言葉があります。市場において、事前にほとんど予想できず、起きた時の衝撃が大きい事象のことを言います。知識や経験が及ばない領域ですが、少なからずCDSはそれを秘めています。CDSの実態を正確に掴めている者はこの世にはいないことでしょう。このCDSが衝撃的ニュースとして、いつしか紙面のトップに来ないことを願うばかりですが、そのような方向に進むと私は思っています。なぜなら、「そのように進めたい人間集団の思惑だから」です。急におかしなことを言ってしまいましたが、当ブログでの私の主張を聞き続けていただければ、それが「決しておかしなこと」ではないことを理解していただけると思います。

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コメント(3件)

内 容 ニックネーム/日時
EU離脱、ウラを知る人でも素直に喜んでるような方々がいますが…私はへそ曲がりだからシナリオ通りではないかと思ってます。
assassins
2016/06/27 17:45
離脱しないのではないかと思ってました。よりによってあのイギリスが、ってビックリしました。
また日本、年金が相当消えてますよ…小遣いにされちゃってます。
株と為替がゴタゴタしてる中でも、インサイダーじゃないけどそこで儲けてるのもいると思います。
LUNA
2016/06/30 11:35
私は福祉の仕事を辞めました、腰がマズくなって無理できなくなりました。事務員のバイトをしつつ、夜もスーパーのレジのパートに行ってます。かけもちしないと暮らしていけなくなりました。でもwifiある喫茶店にまた来てますが(笑)これもニセノミクスのおかげです。
うまく言えませんが、今後色々と世界がおかしな方向に加速するのではないかと危惧してます。
LUNA
2016/07/01 09:23

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